[キリンチャレンジカップ]日本代表 0-0 エクアドル代表/9月27日/デュッセルドルフ・アレーナ
 
 日本代表がエクアドル代表とスコアレスドローを演じた9月27日の強化試合を、プロの監督やコーチ、スカウトたちも使っているデータ分析コンテンツ『wyscout』のスタッツで検証する。
 
 日本代表は攻撃が噛み合わず、チャンスを作れていない印象が強い試合だったが、数値で見てもそれは明らかだ。ここ数年のヨーロッパ・トップレベルで分析に広く使われている『xG』が、それを何よりも証明する。
 
『Expected Goals』(ゴール期待値)の略であるこの指標は、「あるシュートチャンスがゴールに結びつく確率=チャンスの質」のことで、ポジション、アシストの質、その周辺のアクションなどから弾き出される。チャンスの質が高いほど数字が上がり(範囲は0~1)、例えば自陣低い位置からのロングシュートは0.02、敵陣ゴール前でのGKとの1対1は0.65などとカウントされる仕組みだ。
 
 試合を通じた『xG』は日本代表が1.05、エクアドル代表が1.55。約1.5倍の差がある。単純なシュート数で見ても、日本代表は8本(枠内は3本)、エクアドル代表が11本(枠内は3本)だ。
 
 スコアレスドローに終わった理由は、両チームがビッグチャンスを決めきれなかったから。個別『xG』で見ると、日本代表は40分の古橋亨梧の左足シュートが0.36、79分の上田綺世のヘディングが0.41で、いずれもシチュエーション的に決めたいシーンだった。エクアドル代表で最大の決定機だったのは、もちろん83分のエネル・バレンシアのPKで、『xG』は0.76。GKシュミット・ダニエルのシュートストップはまさに値千金だった。
 
 また、この試合は日本代表がエクアドル代表に競り合いで劣ったイメージがあった。その詳細スタッツは以下の通り。
 
■全デュエル勝利 日本代表:110回/エクアドル代表:115回
 
■ルーズボール勝利 日本代表:10回/エクアドル代表:15回
 
■空中戦勝利 日本代表:16回/エクアドル代表:21回
 
 日本代表は全体のデュエルで見ればそこまで大きく負けていなかったものの、ルーズボールや空中戦ではエクアドル代表に明らかに劣っていたことがよく分かる。
 
 4日前のアメリカ代表戦からスタメン全員を入れ替えた日本代表は、スタッツ面で見てもエクアドル代表に対して劣勢だったと言える。
 
構成●サッカーダイジェストWeb編集部