11月1日にメンバー発表される
7回目のワールドカップを戦う日本代表選手のメンバーが11月1日に発表される。代表戦の9月シリーズで選ばれた選手たちがメインとなることが予想されるが、欧州はシーズン真っ只中のため、海外組にとってはコンディション面も選考の大きな要素となる。
日本代表選手の中で、昨季は高いパフォーマンスを発揮し、チームの主力となっていたものの、今季は出場機会が限られている男が原口元気だ。ブンデスリーガ2部のハノーファーでレギュラーを勝ち取った原口は、昨季ウニオン・ベルリンへと移籍。3シーズンぶりの1部でチームに貢献し、30試合2ゴール6アシストを記録し、チームの5位浮上の力となった。
そのウニオンは今季、さらに成績を伸ばしている。UEFAヨーロッパリーグを併行して戦うシーズンとなったが、第11節終了時点で7勝を挙げてブンデス首位に立っている。またUEFAヨーロッパリーグでも序盤の連敗から3連勝を挙げてユニオン・サン・ジロワーズに次ぐ2位に位置しており、決勝トーナメント進出も狙えるところだ。
ただ、今季のウニオンで原口がピッチ上で輝く時間は限られてしまった。EL出場によってチームは大型補強を決行。原口が主戦場とする中盤にもフライブルクからヤニク・ハベラーやミロシュ・パントヴィッチを獲得し、昨冬に加入したアンドラス・シェーファーが台頭するなど、中盤の先発争いは熾烈。今季はブンデスで5試合の出場にとどまり、ELを含めても先発はわずか5試合のみという状況になる。
そんな原口は9月の代表戦2試合にもメンバー入りを果たすものの、出場はアメリカ戦の86分から途中出場したのみ。トップ下でプレイすると、その2分後には三笘薫のゴールが生まれた。それでも気になるのは試合勘だろう。アメリカ戦で先発した鎌田大地や伊東純也など、レギュラーとして出場機会を得てクラブで見せる高パフォーマンスを代表にも還元していた。原口だけに限らずあまり試合に出られていない選手たちは、途中出場で大舞台のピッチへとすぐに順応できるかも気になる点だろう。
ただ、チームでの出場機会は限られているが、ウルス・フィッシャー監督も2-0と勝利した第10節のドルトムント戦で欠場した理由を「悪かったという意味ではなく、休暇を与えるためだ」とコメント。第9節のシュツットガルト戦、EL第4節のマルメ戦とスタメン入りしていた原口に対し、ターンオーバーする意図を会見時に話すなど、信頼は確かなものだ。
そして原口には前回大会の経験もある。特にベスト16でのベルギー戦では貴重な先制ゴールを決め、日本代表初のW杯決勝トーナメントでのスコアラーとなった。昨季見せた確かな実績とパフォーマンス、ロシア大会での経験値を踏まえれば、原口は選ばれてしかるべき人材だろう。