下馬評を覆した日本&サウジアラビアの勝利

カタールW杯を戦う日本代表が強豪ドイツから1-2の勝利をあげた。前日にはサウジアラビアがアルゼンチンを1-2で下しており、アジア勢の大金星が2日連続で実現。この2試合にはいくつかの共通点が見られた。
 
ドイツ戦の日本は前半のうちにPKから失点してしまったものの、75分の堂安律のゴールと83分の浅野拓磨のゴールにより逆転勝利を成し遂げている。
 
逆転勝利の要因の一つには、システム変更が挙げられるだろう。森保一監督は後半の頭から久保建英に代えて冨安健洋を投入し、最終ラインを冨安、吉田麻也、板倉滉の3バックに変えた。守備時にはウイングバックの酒井宏樹と長友佑都が最終ラインに吸収される5バック気味の布陣で、一時的にドイツの勢いを弱めることに成功した。
 
さらに、追いつきたい日本は浅野と三笘薫を57分に投入。三笘はベンチに下がった長友の代わりに左WBに入った。その後、堂安律や南野拓実が途中出場すると、左WBが三笘、ボランチが鎌田大地と遠藤航、右WBが伊東純也という並びに変わり、攻勢を強めるというメッセージが明確になった。
 
結果的に、同点ゴールは左WBの三笘の仕掛けが起点となり、83分には浅野が個人技からスーパーな逆転弾をゲット。森保監督の積極的かつ果敢な采配が見事にハマったと言える。
 
アルゼンチンに勝利したサウジアラビアも、形は違えど果敢な姿勢を見せていた。何度アルゼンチンに最終ラインの背後をつかれようとハイラインを維持。尽くオフサイドを誘い、リオネル・メッシのPK以外にゴールを許さなかった。
 
そして、サウジアラビアに逆転をもたらしたのは、10番サレム・アル・ドサリの美しいミドルシュートだった。その点は浅野のスーパーゴールと重ねられるだろう。
 
他にも、権田修一とモハメド・アル・オワイスのビッグセーブがそれぞれチームを救い、一致団結した守備で終盤の猛攻を凌ぎ切るなど、大金星の共通点はいくつか挙げられる。決勝トーナメント進出を果たすためにも、日本とサウジアラビアは今回の勝利を再現したいところだが、スーパープレイを意図して再現することは不可能。だからこそ、果敢な姿勢を崩さないことには期待したい。