森保ジャパンはカタール・ワールドカップの第2戦で、コスタリカと対戦し、0-1で敗れた。第3戦で対戦するスペインの記者は、日本選手のパフォーマンスをどう見たのか。試合分析に長けたアルベルト・モレン記者に採点してもらった。

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【GK】
権田修一 4
ドイツ戦よりも仕事量が少なかった中、お粗末な対応で痛恨の失点を招いた。ポジショニングが高すぎて、サイドステップを踏まずにジャンプしてしまい、ゴールマウスをカバーすることも、横っ飛びでシュートを弾くために必要なパワーを指先まで伝えることもできなかった。

【DF】
山根視来 5
森保監督はドイツ戦から先発5人を入れ替えてきたが、その新たに起用された1人。堂安の中に絞る動きに呼応して、右サイドを駆け上がり、ビルドアップの出口になった。逆サイドの長友や伊藤に比べて、攻撃面での貢献度は高かったが、ボールを持った時のプレーにやや大胆さを欠き、好機を演出するまでには至らなった。

板倉滉 5.5
ビルドアップ時に長友、吉田とともに最終ラインを形成し、中心的役割を担った。ボールを持っていない局面では、インターセプトを狙う際にポジショニングや判断のミスを犯す場面もあったが、吉田のカバーリングで事なきを得た。

吉田麻也 4.5
ブロック&カバーで防波堤として機能。ドイツ戦に続き、CB陣の中で最高の輝きを放っていたが、失点に絡むパスミスを犯し、大幅な減点対象に。結果的に日本の敗戦を決定的なものにするプレーとなった。

長友佑都 4.5
攻撃時にSBとCBのどちらの役割を担っているのか終始曖昧なままだった。守備面で難しい対応に迫られる場面はほとんどなかったが、ボールを保持しても相手の脅威になれず、ハーフタイムで交代となった。
 
【MF】
遠藤 航 5.5
中盤で持ち前の運動量や球際の強さを発揮したが、日本が能動的に攻め続けなければならない試合で、センターサークル付近で孤立する場面が多く、パスによって優位性を作り出すのに苦労した。

守田英正 4.5
遠藤とともにダブルボランチの一角を担った。ドイツ戦の田中よりも高い位置のポジションを取り、左右にパスを散らそうとしたが、正確性とスピードを欠いて、攻撃のかじ取り役にはなれなかった。

堂安 律 5
後方の山根が右サイドを一手に引き受ける中、与えられた役割はゴール前に顔を出して、上田との連携で相手DFの注意を引きつけるというものだった。ただそのカットインする際のスプリントに爆発性を欠き、相手の守備網をこじ開けることはできなかった。

鎌田大地 4.5
他の選手が軒並みボールを保持しても消極的な姿勢に終始する中で、唯一相手守備網を破る縦パスを前線へ供給しようとしたが、肝心の精度を欠いた。

相馬勇紀 5
前半は左サイドから、後半は右にポジションを移して攻撃を活性化したが、パスの精度、フリーランニングの加速力を欠いたのは他の選手と同様だ。攻撃に深みをもたらすことはできなかった。
【FW】
上田綺世 4.5
森保監督から課されたミッションは、ゴール前でボールを収め、2列目の飛び出しを引き出すことだった。しかし楔を受けて味方に落とす場面も皆無ではなかったが、相手CBとの肉弾戦で劣勢を強いられ、後半開始と同時に浅野にポジションを譲った。

【途中出場】
DF
伊藤洋輝 5.5
後半の頭から出場。ビルドアップ時にCB、守備時にSBの役割を担いながら、攻撃面での貢献が期待された。入れ替わりでベンチに下がった長友と比べれば、組み立ての局面に絡む頻度が多く、相手を引きつけて同サイドのウイングをサポートしようという動きも見せたが、実効性には乏しかった。

FW
浅野拓磨 6.5
後半開始と同時に上田に代わって出場。フリーランニングの加速力、ボールキープ力、判断力いずれも上回り、前線の機能性が高まった。得点できなかったが、誰よりもゴールに迫った。
 
MF
三笘 薫 7.5
守備を固めるコスタリカに対し、攻めあぐむ展開が続く中、後半途中から出場。ドイツ戦に続いてウイングバックとしてプレーし、左サイドを切り裂くドリブルで、チームにとって局面を打開する最大の武器となった。

MF
伊東純也 5
投入直後は浅野とともにゴール前に構え、お互いに連携し合いながら、背後へのランニングを繰り返し、日本の攻撃にいくらかダイナミズムをもたらした。しかしそれも長くは続かず、右サイドにポジションを移してからは、パフォーマンスが低下した。MF
南野拓実 5
先制点を許した直後に投入され、ゴール前に顔を出すシーンもあったが、フィニッシュに持ち込むまでには至らず。10分足らずの短い出場時間で存在感を発揮できなかった。

文●アルベルト・モレン
翻訳●下村正幸
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