フランス代表を率いるディディエ・デシャン監督は、イングランド代表に大きな弱点はないとしながらも、しっかりと攻略のイメージを持っている。

カタール・ワールドカップ(W杯)で史上3カ国目の大会連覇を目指すフランスは、グループステージを首位通過。さらに、ラウンド16ではポーランド代表を3-1で退けた。

そして、10日に行われる準々決勝では前回大会で4位となり今大会の優勝候補にも挙がる難敵イングランドと対戦する。

ベスト4進出を懸けた大一番を翌日に控える中、公式会見に出席したデシャン監督は敵将であるガレス・サウスゲイト監督の手腕を評価するなど、イングランドの印象について語った。フランス『レキップ』が伝えている。

「彼(サウスゲイト)は自分の国で特に評価されているわけではない。彼が以前プレーヤーだったからといって、とても良い監督になれないということはない。彼は良い結果を出している。人間的なレベルでは、とても好きな人物だよ」

「彼らにはわずかにウィークポイントもある」

「試合ではペースがカギのひとつになることが多い。自分たちが速いと、対戦相手は組織化する時間が少なくなる。しかし、ゴールを決めるにはペース以上のものが必要だ」

「多くのことを止めることができるが、特にトランジションで誰かを非常に素早く止めることは非常に困難だ」

「イングランドはトランジションに非常に強い。ゴールの半分以上が素早いカウンター攻撃からきている。同時に彼らには他の資質もある。彼らには技術的能力、ゴールを決める能力、セットプレーの能力がある」

また、戦前から試合の重要なポイントとみなされているのが、今大会得点ランキングトップの5ゴールを挙げるFWキリアン・ムバッペと、DFカイル・ウォーカーのサイドでのマッチアップ。レ・ブルーの闘将はムバッペへの厚い信頼を語りながらも、対戦相手の徹底監視が予想される中で、攻撃面の脅威を分散させていくことが必要だと考えている。

「相手がレッドカーペットを広げることはないし、イングランドが彼と対戦する準備をしていると確信している」

「だが、キリアンは違いを生み出す能力を持っている。この前の試合では、最初の2試合に比べてベストな状態ではなかったが、それでも彼は決定的な存在だった。相手に危険を分散させれば、彼に集中することはないだろう」