収穫の多いゲームとなった

0-3とキリンカップ決勝でチュニジア相手に完敗となってしまった日本代表。複数失点は4連戦の中では初であり、最終ラインでの連携面に不安が出るゲームとなった。

3失点と脆かった守備にスポットライトが当たることになるが、得点力不足も深刻だ。パラグアイ、ガーナ相手に4ゴールずつ奪ったが、ノーゴールに終わったブラジル戦では枠内シュートがゼロに。再び無得点となったチュニジア戦でも枠内シュートがゼロであり、ある程度強度の高い相手への攻撃力を成長させない限りグループステージで勝ち星を挙げるのは難しいといえる。

解決策としてはクロス攻撃の精度を上げること、より中央を使った攻撃を増やすこの2つだ。前半は右に伊東純也、左に伊藤洋輝とクロスの名手がサイドにおり、彼らからのクロスが攻撃の一つの手段であった。しかし明確なチャンスというのが35分の鎌田大地が外してしまった場面くらいしかなく、相手が構えた状態でのクロスははじき返されるか、逆サイドに流れることが多かった。クロスの精度を上げるのもそうだが、日本はクロスに反応する選手が少ない。ボックス内にいる人数が少なく、ターゲットが前半でいえば浅野拓磨、後半でいえば古橋亨梧とセンターフォワードの選手しかいない場面がある。彼らは170cm台の小柄な選手であり、クロスからゴールを狙うには工夫が欲しい。例えば中で合わせる人数を増やしたり、より深い位置からクロスを供給するなどそういったアクセントがなければゴールの匂いがしない。アクセントがつけられないなら単独でもどうにかできる可能性のある191cmの長身を持つFW原大智を招集すべきだ。

次に日本は中央を使った崩しが少なすぎる。前半は選手の強みがサイドに依存していたのもあってクロス攻撃が中心だった。後半は右サイドに堂安律が入ったことで中央の古橋に2度ボールが入る場面があり、こういったプレイを増やしたい。サイド一辺倒では攻撃に幅が出ず、クロスでは前述したようにサイズのなさからチャンスにならない。後半から出た古橋は大外からの山なりのクロスよりも狭いボックス内でグラウンダーのパスを貰うほうが得意であり、選手の得意な分野で攻撃を行いたい。

集中力を欠いた守備陣に工夫のない攻撃陣とこのチュニジア戦では多くの課題が見つかった。だがそれを解決すれば成長につながるということであり、今後の改善に期待だ。