日本代表は19日、県立カシマサッカースタジアムで行われたEAFF E-1サッカー選手権初戦で香港代表と対戦し、6-0で圧勝した。

約2年半ぶりに開催となった同大会で2013年以来2度目の優勝を目指す森保一監督率いるサムライブルー。約4カ月後に迫るカタール・ワールドカップに向け、重要な選考の場でもある今大会では初招集11人を含む、国内組での戦いとなった。

ほぼぶっつけ本番での初戦では、GK鈴木彩艶や西村拓真、藤田譲瑠チマ、町野修斗、水沼宏太の5選手がスタメンで代表デビューを飾ることに。GKに鈴木、4バックは右から山根視来、谷口彰悟、畠中槙之輔、杉岡大暉。中盤は岩田智輝、藤田の2セントラルMFに、2列目は右から水沼、西村、相馬勇紀、最前線に町野が入った。

試合は開始早々に動く。2分、相手DFのハンドによってペナルティアーク付近の好位置でFKを獲得。ここでキッカーの相馬が直接右足で狙うと、壁の上をギリギリで越えて鋭く左へ曲がった絶妙なシュートがゴール左隅に決まった。

相馬の代表初ゴールで幸先よくリードを手にした日本は、直後にも水沼のピンポイントクロスを町野がヘディングシュート、9分にはセットプレーの流れから藤田が鋭いミドルシュートと新戦力が積極的なアピールを見せる。

時間の経過と共に香港もリズムを掴み始め、日本陣内の深い位置まで侵攻。幾度かフィニッシュの場面を作り出す。ただ、相手が前に出てきたことで、遅攻に加えてカウンターの形も出始めると、デビュー組が続けて決定的な仕事を果たす。

まずは20分、右サイドを攻め上がった山根が絶妙なクロスをゴール前のスペースに上げると、DF2枚の間にタイミング良く走り込んできた町野がゴール左隅へ巧みなヘディングシュートを流し込む。

続く22分には水沼の身体を張った守備によってボックス手前にこぼれたボールを回収した相馬からボックス中央の西村の足元にパスが入る。ここで右への短い持ち出しから右足を一閃すると、ゴール右下隅の完璧なコースに決まった。

町野と西村の続けざまのデビュー弾で一気に相手を突き放した日本は、ここから試合を完全にコントロール。全体をコンパクトに保ちつつ、藤田と岩田の横浜FMコンビが攻守に気を利かせたプレーで全体をオーガナイズする。

前半半ば過ぎにはカウンターと、ボックス付近での町野の巧みなフリックから水沼に続けて絶好機が訪れるが、ここは相手GKのビッグセーブに阻まれる。

その後も危なげなく時計を進める日本は、前半終盤の40分にも相手陣内中央で藤田からパスを受けた西村が前向きな仕掛けから左足を振る。ドライブ回転がかかった強烈なシュートがGKの手前でバウンドして球足が伸びると、そのままゴール左隅に決まった。

4点リードで試合を折り返した日本は、キャプテンの谷口を下げて中谷進之介をハーフタイム明けに投入。後半も立ち上がりから攻勢を仕掛けていく中、早い時間帯に続けてゴールが生まれる。

まずは55分、右サイド深くに抜け出した山根からの高速クロスをニアに飛び込んだ相馬が右足かかとを使ったアクロバティックなボレーで合わせる。その2分後には同じく右サイド深くで水沼が上げた高速クロスに対して、西村がうまく潰れると、遅れてゴール前に入ってきた町野が冷静にルーズボールを蹴り込んだ。

前半の西村に続く相馬、町野のブレイスで勝利を決定づけた日本は、64分に3枚替えを敢行。西村、水沼、相馬の2列目3選手を下げて、脇坂泰斗と共に10年ぶり復帰の宮市亮、代表デビューの岩崎悠人をピッチへ送り出した。さらに、74分には殊勲の山根に代わって大南拓磨もA代表デビューを飾る。

大量得点差や疲労の影響もあり、後半半ばから終盤にかけて試合はやや大味な展開に。その流れの中でも宮市や代表デビュー組は少しでも爪痕を残そうと果敢にプレーし、幾度か見せ場も作る。

しかし、これ以上スコアは動かぬままタイムアップ。なお、連勝を狙う日本は24日に豊田スタジアムで中国代表と対戦する予定だ。

日本代表 6-0 香港代表
【日本】
相馬勇紀(前2)
町野修斗(前20)
西村拓真(前22)
西村拓真(前40)
相馬勇紀(後10)
町野修斗(後12)