日本代表の森保一監督が、中国代表を振り返った。

24日、EAFF E-1サッカー選手権第2戦で日本と中国が対戦。初戦の香港代表戦では6-0で快勝を収めた日本。中国戦には11名全員を入れ替えて臨んだ。

前半から日本は右サイドの宮市亮を中心に攻勢をかけ、何度か決定機を迎えたが、ゴールをなかなか奪えない。後半は徐々に中国も盛り返す中、日本は主導権を握り続けるもゴールが遠く、選手を入れ替えても最後までゴールは奪えず。0-0のゴールレスドローに終わった。

試合後の記者会見に臨んだ森保監督は「豊田スタジアムにたくさんのサポーターが駆けつけてくれ、テレビでもたくさんのサポーターが応援してくれていたところ、勝利を届けられずに残念に思います。応援ありがとうございます」とコメント。「結果的に勝てなかったところは反省しなければいけないところもありますが、今日プレーしてくれた選手は、準備段階から、今日の試合でできる最大限のチャレンジをしてくれたと思います。選手たちがチャレンジしてくれたことは評価したいなと思います」と、引き分けに終わるも、選手たちのパフォーマンスは称えた。

また「試合の流れの中で1点先に決められるチャンスは多く作れたと思いますので、次の韓国戦に向けて課題としてチームで取り組み、韓国戦ではゴールを決めて勝利したいと思っています」と、最終戦の韓国戦ではゴールを奪いたいと語った。

初戦は横浜F・マリノスの選手を多く起用し、コンビネーションで崩していた中、11名を入れ替えたこの試合はテンポが上がらないシーンも前半は見られた。

森保監督は「課題として感じたところでいうと、ノッキングする場面、1つが上手くいかずプレーが繋がらなかった場面はあったと思います。より次の試合に向けて改善しなければいけないと思います」とコメント。ただ、「香港戦から総替えした中、香港戦は6点を取れましたが、実際勝った負けたという結果で見るところ以外では、前半のボールの動かし方は、一戦目より意思統一してできていたと思います」と、結果以外の部分では、トレーニングを積んだ分良くなっていると感じていると言い、「ボールロストの数も少なく、意図あるパスのロストは選手たちがチャレンジしてくれたと思います。3戦目はよりクオリティを上げられるようにチームとしてあげていきたいと思います」と、3戦目には精度を高めて、ゴールに繋げたいとした。

中2日で2連勝の韓国代表との対戦となるが、メンバーについては「まだハッキリと決めたわけではないですが、中2日ということも考慮して、今日の第2戦までを振り返って、ミックスという形にするか、コンディションを見て第1戦のメンバーを中心にするかは考えていきたいです」とコメント。コンディションとも向き合って決めるとした。

この試合では右サイドが宮市と小池龍太の横浜FMコンビに脇坂泰斗、左サイドは森島司と佐々木翔に野津田岳人が絡むというシーンが多かったが、攻撃面では左サイドがあまり機能していなかった。

その点について森保監督は「起用に関しては右サイド、左サイドで話をすると、宮市は基本的にワイドの位置から背後をとっていくということ。インサイドに小池やボランチ、トップ下が絡んでいくというイメージを持っていました。そこは十分機能していて、得点に至ってもおかしくないというプレー、相手にダメージが与えられるプレーができたと思います」と右サイドは効果的なプレーができていたと語った。

一方で「森島が持っている中間ポジションで起点になるという点。そこで起点になりながらワイドに開いたりということで、予想通りの試合展開の中でのプレーだったと思います」と左サイドにも言及。「佐々木、野津田、森島のところで、攻撃の部分でチャンスは多く作れなかったと思いますが、右サイドでよりチャンスを作る、突破する攻撃ができていて、右肩上がりにするということは問題ないと思っていました」と、左サイドが大きく機能していないことは、右サイドが機能していることで問題ないと語った。

ただ、後半に杉岡大暉(湘南ベルマーレ)を起用した点については、「左サイドで起点になって、そこで縦パスを入れる、サイドからの攻撃で1戦目のようにクロスを入れてもらうことを期待して投入しました」と語り、左サイドからの攻撃も活性化させたい考えがあったようだ。

試合を振り返っての後悔についても「結果的に勝てなかったところでは、今日の1試合での目標は結果として出せなかったですが、課題として反省しなければいけないのは最後どう決めるかというところはあり得ることなので、それまでの試合展開では、今日出てくれた選手たちは今自分が持っている最大限の個の力と、今日初めて組む選手たちとの連係連動の部分においても、最大限個の力、チームの繋がりは出ていたので、後悔はありません」とキッパリ。ゴールという結果が出なかったこと以外は、大きな問題はなかったと感じているようだ。

最終戦は2連勝の韓国代表との試合。勝てば日本が優勝、引き分け以下であれば、再び韓国が優勝ということになる。

森保監督が率いてから、2019年のアジアカップ、そしてE-1選手権と、勝利すれば優勝という舞台で2度も負けている。

韓国戦については「このE-1選手権は優勝を狙っていますし、そこは変わっていません」と語り、「今日勝っていても韓国に勝たなければ優勝はないと思っていました。引き分けでの優勝は無くなりましたが、勝って、選手とスタッフと喜びたいですし、サポーターの皆さんと喜びを分かち合える勝利と優勝を掴み取りたいと思います」と、韓国戦で勝利し、優勝を果たしたいと意気込んだ。

そのために必要なことについては「ハードワークする部分であったり、守備で局面で勝っていく、連係連動して水漏れさせない守備、攻撃では守から攻に縦を使った素早い攻撃、サイドを起点とした攻撃と短期間で選手たちは使い分けてくれています」と語り、「今日は奪えなかった得点をしっかり奪って、韓国に勝利したいと思います」と、得点を取るのみだとコメント。「この2試合無失点で来れているのは、良い守備から良い攻撃というコンセプトを結果として守備で出してくれているので、攻撃面で出して、勝利と優勝をしっかりと掴み取りたいと思います」と、守備面だけでなく、攻撃面も改善して勝利したいとした。

選手のメンタル面の回復についても「まずは結果が出なかったというところでは、我々はプロの世界、代表で戦うということは、アジアで絶対勝って終わりたいというプライド、責任を背負って戦わなければいけないと思います」とコメント。「自分たちがどれだけ頑張っても結果に繋がるかどうかは、選手たちにも我々にも分かりません。勝てなかったという悔しさは次の韓国戦に向けてパワーに変えて欲しいと思いますし、今日の試合を振り返った時に何がダメだったかというと、点を決めたか決めなかったかということ。1点早い時間帯に点が入っていれば、香港戦のような結果になっていたかもしれません」と、やはりゴールを奪うということだけが足りていないとの見解を示した。

そして「おおよその部分では最大限チャレンジしてくれて、相手にもチャンスを与えていないので自信を持ってもらいたい。ただ、決めなければサッカーでは勝てないということ。気持ちとクオリティを上げて韓国戦に臨みたいと思います」とコメント。「選手たちも色々な反省はあると思いますが、1人1人が悔いのある戦いをしたかというと、最大限発揮してくれたと思いますし、さらに良い選手になれるように今日の結果を受け止めて次に向かって欲しいと思います」とし、内容に自信を持ち、最後のゴールを決め切ることを次の韓国戦で求めたいとした。