アフリカ勢の中では最も期待できる

今年のワールドカップ・カタール大会に出てくるアフリカ勢は、グループAのセネガル代表、グループDのチュニジア代表、グループFのモロッコ代表、グループGのカメルーン代表、グループHのガーナ代表の5チームだ。

このうち最も期待できるのは、やはりセネガルだろう。4年前のロシア大会では日本代表も激闘を演じたが、おそらく4年前よりも完成度は高い。前回大会を知るメンバーが多く残っており、今の世代にとっては集大成となる。

GKにはチェルシーのエドゥアール・メンディだ。最近は凡ミスも目につくが、反応速度はピカイチ。当たりが出れば乗ってくるはずで、短期決戦のワールドカップで勢いに乗れると面白い。

センターバックは同じチェルシーでプレイするカリドゥ・クリバリ、今夏ライプツィヒへ移籍したアブドゥ・ディアロが軸だ。もちろん要はクリバリであり、31歳と経験値も十分だ。守備が機能するかどうかはクリバリ次第だろう。

サイドバックは右のブナ・サールが手術でワールドカップを欠場することになり、ここはワールドクラスと呼べる選手が見当たらない。左にはミランのフォデ・バロ・トゥレがいるが、クラブでの出番はほとんどない。

中盤はエヴァートンに戻ったイドリッサ・ゲイェ(32)、ノッティンガム・フォレストのシェイク・クヤテ(32)、レスター・シティのナンパリス・メンディ(30)、マルセイユのパプ・ゲイェ(23)、トッテナム のパペ・マタル・サール(20)らが候補か。ゲイェ、クヤテといった30代プレイヤーが軸となるはずで、こちらも経験は十分だ。創造性溢れるタイプのMFは少ないが、中盤で地味な仕事をこなせる選手が揃う。

前線は何と言ってもバイエルンFWサディオ・マネが中心になる。移籍したバイエルンでも好調を維持しており、これは何よりの朗報だ。セネガルが上へ行けるかはマネ次第だ。

そこにワトフォードの快速FWイスマイラ・サール、移籍したセリエAのサレルニターナで早くも3ゴールを決めているブライユ・ディア、フランスのストラスブールで2ゴールを挙げているハビブ・ディアロ、モナコのクレピン・ディアッタらが絡む。

今年1月より開催されたアフリカ・ネイションズカップを制したセネガルはアフリカ王者として今年のワールドカップに臨むことになり、アフリカ勢の中ではベスト16へ最も近いチームと言える。

入っているグループAでは開催国のカタール、エクアドル、オランダと同居しているが、オランダを除けばセネガルの方が格上と考えられる。グループ突破は十分に狙えるはずだ。

ヴァイッド・ハリルホジッチから監督交代へ動いたドタバタのモロッコ、前回王者フランスとEURO2020ベスト4のデンマークと同居したチュニジア、優勝候補ブラジルに加えて欧州の実力国であるスイス&セルビアと同居したカメルーン、こちらも優勝候補ポルトガルと経験豊富なウルグアイ、韓国と同居したガーナはグループ突破に苦労すると予想される。

アフリカ勢躍進の期待はセネガルにかかっているが、4年前を知るマネやクリバリらはどこまで進めるだろうか。