■9月27日/キリンチャレンジカップ2022 エクアドル0−0日本(エスプリ・アレーナ)
E-1サッカー選手権で結果を残し、今回の欧州遠征でも日本代表に招集された相馬勇紀が滑り込みでワールドカップ出場を狙う。
キリンチャレンジカップ2022、エクアドル代表対日本代表が9月27日にドイツ・デュッセルドルフのエスプリ・アレーナで行われた。日本もチャンスを作っていたが、結局ゴールを奪うことができず、試合はスコアレスドローに終わった。
日本は南野拓実がトップ下の位置に入り、ワントップには古橋亨梧。左サイドには三笘薫、右サイドには堂安律を置いて4−2−3ー1のフォーメーションでエクアドルとの一戦に臨んだ。
前半、なかなかチャンスを作れなかった日本だったが、前半終了前に三笘が左サイドからクロスを供給。南野がヘディングでシュートを放つも、ボールはゴール右へと外れてしまう。
後半開始と同時に古橋に代えて上田綺世が投入される。さらにサイドでは、66分に三笘薫に代えて相馬が投入。上田が起点となり、相馬がチャンスを作るなど日本の攻撃が活性化された。
相馬は投入直後から積極的な守備を見せるなど、攻守で好プレーを見せていた。74分のシーンでは相馬が左サイドで仕掛けてファウルを獲得。75分過ぎ、左サイドでボールを受けた相馬がカットインからの切り返しで相手に尻餅をつかせると、左足でクロスを供給。上田が頭で合わせるが、ボールは惜しくも枠を捉えることができなかった。
さらに77分、上田からのパスを左サイドで受けた相馬が右足アウトサイドでグラウンダーのクロス。これは惜しくもCKとなってしまったが、あの場面で右足アウトでのボールというアイディアは相馬の魅力の一つだ。
相馬が入ったことで日本の攻撃がさらに活性化され、その存在をアピールすることに成功していた。
■左サイドの候補に浮上
相馬は2022年7月に行われたEー1選手権の日本代表に選出されると、3試合3ゴール2アシストの大活躍で大会MVPに選出。Eー1選手権でアピールを果たし、今回の欧州遠征の代表にも選出された。エクアドル戦ではゴールやアシストこそなかったものの、随所で光るプレーを見せた。
ドリブラーの相馬は左サイドのポジションを争う三笘にも少し似たタイプ。スピードを活かして果敢にサイドを攻め上がり、クロスを供給したり、自らもゴールを決めることができる。さらにはスペースを見つけることができ、オフザボールの動きに長けている。
左サイドはアメリカ戦で先発した久保建英や、エクアドル戦ではトップ下で先発した南野拓実、そして三笘とライバルが多いポジション。しかし、Eー1選手権、そして今回のエクアドル戦での活躍で相馬は、三笘とのポジション争いに割って入ってきたと言っても良いはずだ。
アメリカ戦では久保を左に置いたが、三笘が途中出場からキレキレドリブルを見せて追加点。三笘を先発に推す声も多く、久保や鎌田をトップ下に置く布陣を組んでもW杯では戦っていけるだろう。そして相馬が計算できる選手になることで、先発に三笘、ジョーカー役に相馬というパターンも考えられる。W杯では5人交代が認められており、接戦や劣勢の状況が想定できるグループリーグでは、欧州遠征での攻撃陣の底上げは好材料だ。
左サイドのポジション争いで、三笘に挑戦状をつきつけた形となった相馬。過去には柿谷曜一朗や山口蛍がEー1選手権で結果を残し、W杯に出場を果たしている。果たして、相馬は先輩たちの道筋を辿り、滑り込みでW杯に出場することができるだろうか。