規格外のフィジカルでプレミアリーグ100ゴール達成

190㎝103kgと規格外のフィジカルを武器に、数々のスペクタクルなゴールを奪ってきたのが、ベルギー代表FWロメル・ルカクだ。ベルギー北部のアントウェルペンに生まれたルカクは、コンゴ民主共和国にルーツを持ち、父、弟、従兄弟も選手としてプレーしてきたサッカー一家だ。

プロキャリアのスタートはベルギーのRSCアンドレヒトで、2009年5月24日にジュピラーリーグのプレーオフ、スタンダール・リエージェ戦に途中出場しデビューを果たす。ポジションはセンターフォワード。このシーズンに25試合で15ゴールを挙げて2009-2010シーズンの得点王になった。なお、16歳10カ月での得点王受賞はジュピラーリーグ史上最年少である。

2011年に5年契約で、念願だったチェルシーへの移籍を果たす。背番号18を身にまとい、プレミアリーグでブレイクするかと思われたが、出場機会に恵まれず、翌年以降レンタル移籍を繰り返し、2013年にエヴァートンへと完全移籍した。エヴァートンはクラブ史上最高額の2800万ポンドという大金を叩いて、ルカクを獲得。ルカクも、エヴァートンでの4シーズンでリーグ戦68ゴールをマークするなど結果を残した。する2017-2018シーズンにはマンチェスター・ユナイテッドに移籍し、プレミアリーグの名門クラブで2シーズンを過ごした。さらに移籍初年度には、24歳322日でプレミア通算100ゴールを達成。プレミアリーグでプレーしたベルギー人では史上初のことだった。

2019年にはセリエAの強豪インテル・ミラノへ。ここでもインテルの史上最高額である8000万ユーロで完全移籍を果たした。背番号は9番に決まり5年契約を締結。2020年のUEFAヨーロッパリーグ・準々決勝では、欧州リーグ史上初となる9試合連続ゴールを決めた。2020-2021シーズンのリーグ戦では、約11シーズンぶりのリーグ優勝をもたらし、個人としてはセリエAのMVPに選出されるなど、最高のシーズンを過ごした。

2021年にチェルシーFCに復帰し5年契約を結んだことが発表されたが、本領発揮とはならず、2022年にはローン移籍でインテル・ミラノへの復帰が決定し、背番号は90番に決まった。

ゴールだけではなくアシストもできるストライカー

ルカクの武器は大きく分けて2つ。驚異的な身体能力と、メンタリティだ。

恵まれたフィジカルを生かして、前線でボールを収めるプレーを得意としており、特にボックス内でのプレーは驚異的。さらに、プレミアリーグで活躍する屈強なディフェンダーも弾き飛ばしてしまう重戦車のような突破力で、ここまで結果を残してきた。

そういった体の強さばかりにばかり目が行きがちだが、実はスピードも武器としている。マンチェスター・U在籍時には、英紙『デイリー・ミラー』が発表したトップスピードランキングで、堂々の1位に選出された。そのスピードは時速34.6km。これはアーセナルなどで活躍したスピードスターのイングランド代表FWセオ・ウォルコットが記録した34.4kmをも上回っており、ルカクがどれほど速いかがわかるだろう。「デカくて速い」。まさに身体能力の塊だ。

そんなルカクのもう1つの武器はメンタリティだ。ストライカーであり点取り屋のルカクだが、ゴールだけではなくしっかりと味方を生かすプレーをすることもできる。FWでありながらルカクはエゴイストではない。

例えば、記憶に新しいのがロシアワールドカップの日本vsベルギー。『ロストフの14秒』と言われるベルギーの3点目では、日本のゴール前でサイドからルカクにパスが送られたが、そこで打たずに背後の選手へスルーした。「自分がゴール決めたい」という気持ちが強い選手は、無理な体勢でもシュートを打つだろう。でも、ルカクはチームプレーを選べる選手だ。時にはエゴも必要だが、最終局面で自分を抑えられるルカクのメンタリティは素晴らしい。

ベルギー代表通算得点ランキングでダントツの1位

クラブチームでも圧倒的な結果を残していたルカクは、代表チームでも欠かせない存在の1人だ。

2010年3月3日、クロアチア代表との親善試合でA代表デビューを果たすと、同年の11月17日に行われたロシア代表との親善試合で初得点を含む2得点を挙げた。その後はベルギー代表に定着すると、2013年10月11日のワールドカップ予選のクロアチア戦で2得点を挙げて、ワールドカップ出場決定に貢献した。

2014年のブラジル・ワールドカップや2018年のロシア・ワールドカップに出場。ロシア大会では、グループリーグ初戦のパナマ戦で2ゴール、2戦目のチュニジア戦でも2ゴールを決めてグループリーグ突破に貢献した。さらにワールドカップにおける2試合連続2ゴールは、アルゼンチン代表として活躍したマラドーナ氏以来の記録となった。

その後もベルギー代表の主軸として活躍すると、EURO2020予選・サンマリノ戦でベルギー史上初の代表通算50ゴールを達成。さらにカタール・ワールドカップ欧州予選のチェコ戦に出場し、ベルギー史上6人目となる代表通算100試合出場を達成するなど数々の記録を樹立している。

ベルギー代表ではセンターフォワードとしてプレーし、背番号9を背負うルカク。2014年ブラジル大会(ベスト8)、2018年ロシア大会(3位)に出場し、10試合5得点1アシストを記録している。29歳と脂の乗った状態で迎えるカタール大会では、過去2大会以上の成績を残すことに期待がかかる。今大会のルカクのプレーから目が離せない。

文・渡邉知晃

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