日本代表は9月に行われたキリンチャレンジカップ2022でアメリカ、エクアドルと対戦。カタール・ワールドカップ(W杯)へのメンバー発表前最後の試合を戦った。
編集部では、この2試合に招集されていた選手限定で、W杯メンバー入りに向けた当落予想を行った。
■中盤の招集確率は?
森保一監督はこの2試合で4-2-3-1を採用した。試合運びが上手くいったアメリカ戦では強度で戦える遠藤航と守田英正を2CHに起用。チームが非保持をベースに戦う中で両者ともに高いボール奪取能力を発揮しており、守備の時間が長くなるカタールW杯でのスタメン最有力もこの2人になると予想される。招集確率はともに90%と予想した。
一方、エクアドル戦でコンビを組んだ田中碧と柴崎岳は、上記2人に比べるとインテンシティの面でやや物足りない。相手守備陣の隙を見て危険な縦パスを刺し込める選手ではあるが、戦い方を非保持ベース側に少し傾けた現在の森保JAPANでは、以前よりも存在感は薄れることになるかもしれない。招集確率は田中が80%、柴崎が70%と予想している。
原口元気はアメリカ戦では86分からの出場となり、エクアドル戦では出番がなかった。それでも、これまで森保監督は原口をクローザーとして重宝してきた。本戦でも限定的な起用になるかもしれないが、W杯での経験に加えて強度と走力も兼ね備えているため、招集の可能性は決して低くはない。性格面でもチームにもたらすものは大きく、メンバー入りの確率は65%と推測した。
セルティックでは好調の旗手怜央だが、この2試合では1度もピッチに立つことができなかった。同選手の持ち味は中盤、SB、WGで遜色なくプレーできることであるが、代表ではその各ポジションに強力なライバルがそろっている。システムが4-3-3から4-2-3-1になり、IHのポジションが消滅したことも旗手に小さくない影響を与えるだろう。さらに今回のW杯では交代枠が5人のため、万が一スタメン選手が負傷しても本職の選手を投入して対応することができ、ポリバレント性が活きにくい。招集確率は30%と予想した。
■2列目の選手たちのカタールW杯行きは?
2試合を通して活躍した鎌田大地のカタールW杯行きは確実だ。アメリカ戦ではプレッシングでも貢献しつつ先制点を記録。エクアドル戦でも途中出場から切れ味鋭い突破と効果的なパスを見せている。その招集確率は90%と予想した。
久保建英はアメリカ戦の出場のみに留まったが、カタール行きの可能性は85%と高いはず。4-4-2のプレッシングにしっかり連動しつつ、機会は少なかったもののボール保持時に見せたスキルや奪ってからの縦パスの精度の高さはさすが。得意なトップ下には鎌田というライバルがいるが、スタメンを勝ち獲ることができるか。
日本に欠かせないサイドアタッカーの伊東純也と三笘薫も本戦行きは確実だ。招集の確率はともに90%と予想した。右サイドを単独突破できるアタッカーは現在の日本に伊東くらいしかおらず、本戦でも重宝されることは間違いない。三笘の切れ味鋭いドリブルもドイツやスペイン相手にも効果的なはず。あとはスタメン起用になるかジョーカーとして使われるかが気になるところだ。
南野拓実と堂安律の招集確率はともに75%と予想した。2人ともW杯での招集が危ぶまれるほどではないものの、今回の2試合では見せ場をほとんどつくることができなかった。南野の本職であるトップ下では鎌田の方がパフォーマンスが高い。またカウンターからのチャンス創出が基本になるであろう本戦で、堂安の主戦場である右SHでスタメン起用となるのはスピードが売りの伊東である可能性が高い。それでも両者の持つ実力を鑑みると、本戦行きは堅いといえる。
相馬勇紀はE-1選手権で活躍し、今回のキリンチャレンジカップ2022にメンバー入り。するとエクアドル戦の後半から途中出場し、三笘とは違ったタイプのドリブルでDFを翻弄した。少ないプレー時間で爪痕を残し、カタールW杯行きに小さくない望みをつないだと言える。招集確率は60%と予想した。
■CF陣の本戦行きはどうなる?
アメリカ戦で先発出場した前田大然の招集確率は85%と予想。CFとして前線から激しいプレスをかけ、“2度追い”を何度も実行して相手のパスミスを誘った。高強度のプレッシングを持続できる能力は、ボール保持を得意とするドイツやスペイン相手に非常に有効であるため、本戦でのスタメン出場の可能性も高いだろう。
セルティックでエースとして活躍する古橋亨梧だが、代表では思ったような結果を残せていない。今回はエクアドル戦でスタメン起用となり、何度か前線でボールを呼び込んだものの周囲と噛み合わずに前半で交代。決定機も決めることができず、かなり悔しいゲームになってしまった。W杯メンバー入りには、比較的似たタイプである浅野拓磨の復帰のタイミングも影響するだろう。招集確率は60%と予想した。
上田綺世はエクアドル戦でハーフタイムから登場。すると前線でターゲットとなり、流れをモノにできていなかったチームの基準点となった。相馬からのクロスに合わせて惜しいシーンも演出し、評価を高めた1人といえる。そんな上田のW杯行きは、可能性は低いが大迫勇也のコンディションが影響してくるかもしれず、招集確率は70%と予想した。
相馬と同じくE-1での活躍を受けて今回の代表入りを果たした町野修斗だったが、ほとんど見せ場をつくることができず。さまざまな場面で奮闘しようとしていたが、攻守において目立ったプレーを披露できずに終わってしまった。今回のチャンスを活かし切れなかったため、本戦メンバー入りの可能性は20%と推測している。