期待できる選手が成長している

多くの選手が日本を離れ、国外でプレイしているが、GKだけはその進みが遅いように感じる。

ワールドカップ・カタール大会に出場する日本代表に選ばれたGKは川島永嗣、権田修一、シュミット・ダニエルの3人だ。川島がリーグ・アンのストラスブール、シュミットがベルギーのシント・トロイデンでプレイしており、数少ないGKの海外組だ。他の海外組はポルトガルのポルティモネンセにいる中村航輔くらいで、他のポジションに比べ海外組が圧倒的に少ない。

英『The Athletic』ではW杯に出場していない選手を出場国に一人いれるなら誰をメンバー入りさせるのかという企画をやっており、日本代表にはアトレティコ・マドリード所属で、スロベニア代表のGKヤン・オブラクが追加されている。

「日本には困難な状況を一人で打開できるような選手はいないが、それを克服するだけの強い統率力がある。そのためピッチ上で最も影響力があるポジションGKをアップグレードする。オブラクは世界最高の選手の一人だ」

同メディアの主張はGKが強化されれば日本はさらに強くなるというものだ。

ストライカーとGKがチームに与える影響は大きい。それは得点・失点に直接関与する回数が多いからだ。昨季のレアル・マドリードが分かりやすい例であり、カリム・ベンゼマとティボー・クルトワが素晴らしかったからあれだけの好成績を残すことができた。もちろん他の選手のパフォーマンスもトップレベルだったが、決めきる、決めさせない、この2つを高いレベルで行えるチームが結果を残している。

日本サッカーの今後の目標はGKの強化だろう。トップ下の鎌田大地、中盤の遠藤航、センターバックの冨安健洋、板倉滉と比べるとGKは見劣りしてしまう。中村はポルティモネンセで出場機会を得ており、今大会には出場しないが、W杯後の招集では確実に呼ばれることになるだろう。国際舞台で結果を残すにはビッグセーバーの存在が必要であり、世界に誇れるGKが誕生するのはいつになるのだろうか。