現地時間11月23日に行なわれた、カタール・ワールドカップのグループE、ドイツ対日本の一戦。試合前に集合写真を撮影する場面で、ドイツ代表の選手たちは、手で口を覆うしぐさを見せた。

 これとほぼ同時に、ドイツサッカー連盟(DFB)は公式HPならびにSNSを更新。国際サッカー連盟(FIFA)に改めて抗議の意志を示している。

 背景には、FIFAが下した決断への異議がある。当初、ドイツを含むイングランドやベルギーなど欧州7か国は、主将が「One Love」という文言とハートマークが入った、多様性を示す虹色の腕章を身に着ける予定だった。

 しかし、FIFAは政治的なメッセージを禁止するという規定や、カタール国内ではこうした活動をした該当者を書類送検にするという背景などを理由に、着用した場合は即刻選手に警告処分を科すと“通達”。半ば脅しのような決定を受けた欧州各国は、試合での「One Love」の着用を見送った。
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 実際、試合前にはドイツ主将のマヌエル・ノイアーが着用したキャプテンマークを、主審が確認する場面が見られた。ちなみに、こうしたシーンはFIFAが提供する国際映像からはカットされており、動画では確認できないようになっている。

 DFBはこうしたFIFAの動きに対して、「検閲だ」と強く批判。口を覆うポーズは“声を上げることを許さない”決定に対しての抗議を込めていると明かしている。

「皆で問題にすべきだ。人権問題は政治的なメッセージではない。腕章を付けないということは、声を上げないということと同じだ。我々は自分たちの立場を貫く」

 現地紙『BILD』は「彼らの主張は一貫している。だが、ドイツのファンの間では彼らの行動を支持する声もあれば、フットボール選手への期待が高すぎると指摘する声もあった」と綴っている。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部