【識者の目】コスタリカ戦の出場16人と監督を採点

 日本代表は11月27日、カタール・ワールドカップ(W杯)グループリーグ第2戦のコスタリカ代表戦に臨み、0-1で敗れた。かつてアジアサッカー連盟の機関紙「フットボール・アジア」の編集長やPAスポーツ通信のアジア支局長を務め、ワールドカップ(W杯)を6大会連続で取材した英国人記者のマイケル・チャーチ氏が、コスタリカ戦の出場16人と監督を採点。采配が不発に終わった森保一監督には、厳しい評価が下されている。

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 日本代表・コスタリカ戦の出場メンバー&監督採点(10点満点)

【GK】

■権田修一(清水エスパルス) 5点
DFケイセル・フレールのシュートが飛んでくるまでは何もすることがなかった。シュートを指にかけたが、ボールを弾き出すことはできなかった。それまでは試合の観客の1人だった。

【DF】

■山根視来(川崎フロンターレ) 5点
フィットネスの問題で欠場したDF酒井宏樹の代わりに選ばれ、右サイドで才能の片鱗を見せた。前半に警告を受け、62分間のプレーで交代。沈黙していた。

■板倉 滉(ボルシアMG) 5点
コスタリカ攻撃陣のフィジカル的な脅威に上手く対処した。日本が試合を支配していたこともあり、ほとんど問題を起こさなかった。

■吉田麻也(シャルケ) 4点
コスタリカの得点は彼に非があった。何気ないクリアの試みがフレールの得点のきっかけとなった。前方へパスを出し過ぎていて、それがほとんどチャンスにつながっていなかった。

■長友佑都(FC東京) 5点

前に出ていこうとしたが、MF相馬勇紀との連係はうまくいかず日本の左サイドは推進力を欠いた。戦術変更によりハーフタイムで交代した。

切れを欠いた鎌田、左サイドでスタメンに抜擢された相馬らに厳しい評価

【MF/FW】

■遠藤 航(シュツットガルト) 5点
中盤でいつもどおりのパフォーマンス。相手を苦しめてはいたが、日本が前に出てプレーしようとしていなかったことが彼のプレーに影響を与えた。

■守田英正(スポルティング) 4点
吉田と同様にコスタリカのゴールへつながる一連のプレーに関与した。90分を通してあまりにも重々しいパフォーマンスだった日本の中盤を象徴していた。

■堂安 律(フライブルク) 5点
前半の日本代表で唯一、質の高いプレーを見せていた。右サイドのスペースに抜け出し、ゴール前に持ち込んだが、クロスはFW不在のゴール前を通過した。

■鎌田大地(フランクフルト) 4点
ここ数か月の間に見せていたクオリティーをほとんど発揮することができなかった。パスのミスやタッチの悪さが目立った。

■相馬勇紀(名古屋グランパス) 4点
左サイドでスタメンにサプライズ選出された。スタートは良かったが、すぐに消えていった。攻撃面ではほとんど何もできず、フリーキックはバーの上を越えていった。

攻撃面で可能性を見せた三笘&伊東を高評価、采配不発の森保監督は最低点

■上田綺世(セルクル・ブルージュ) 4点
前半に堂安が決定的なチャンスを作った時も、上田は姿を見せなかった。FW前田大然やFW浅野拓磨を差し置いて先発に選ばれたもう1人のサプライズだった。

【途中出場】

■浅野拓磨(FW/ボーフム) 6点
ハーフタイムに上田と交代。前線に活気をもたらした。コスタリカを翻弄し続けたが、ゴール前で決定的な違いを生み出すには至らなかった。

■伊藤洋輝(DF/シュツットガルト) 4点
彼も失点の場面で責められるべき。残念なパフォーマンスだった。

■三笘 薫(MF/ブライトン) 6点
日本の左サイドに活力を与え、大胆不敵なプレーでコスタリカディフェンスをこじ開けた。森保一監督がこの最もエキサイティングな選手の先発を拒み続けているのは不可解だ。

■伊東純也(MF/スタッド・ランス) 6点
三笘ほど効果的ではなかったが、終盤にはサイドでダイナミズムをもたらした。ファーストタッチがまだ発展途上なのは、30歳近い選手としては褒められたものではない。

■南野拓実 (MF/ASモナコ)採点なし
コスタリカの得点後に森保監督の最後の采配として投入された。日本を救い出そうと懸命にプレーしたが、結果に影響を与えることはできなかった。

■森保一監督 2点
いくつかの変更を加え、コスタリカへの敬意を欠いたネガティブなやり方でプレーするよう指示し、結果的にそれが彼らを苦しめた。この敗戦は彼の肩にのしかかることになり、彼の治世の最悪の事態を象徴しているだろう。(マイケル・チャーチ/Michael Church)