カタール・ワールドカップのグループステージ初戦で、日本は優勝候補のドイツに2-1で勝利。続くコスタリカ戦は0-1の敗れたものの、第3戦でも強豪スペインを2-1で下し、E組首位で決勝トーナメント進出を決めた。史上初のベスト8進出が懸かるクロアチアとの大一番に、森保ジャパンはどんなスタメンで臨むべきか。現地取材するフリーライターの元川悦子氏に見解をうかがった。

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 4-3-3をベースとするクロアチアに対し、本来であれば4バックに戻したいところだが、不動の右SB酒井宏樹は12月3日に練習復帰したばかり。さすがに強度の高いラウンド16の大一番で頭から起用するのは難しいと見られる。

 そこで、スペイン戦で機能した3-4-2-1を選択。傑出した打開力を備えるペリシッチのところは、冨安健洋を主体に、伊東純也がカバーする形で守れば、決定的な仕事をさせずにいけるのではないか。

 そのうえで相手の中盤3枚の守備を考える必要がある。モドリッチとコバチッチには遠藤航と田中碧の両ボランチがタイトにいき、ブロゾビッチは2シャドーを中心に受け渡しながらケアすれば、何とか防げそうだ。逆に日本が支配する展開も考えられるだけに、MF陣は時に思い切って攻めに出る勇気も必要になってくる。
 
 そして、得点を取る術も見出さなければいけない。クロアチアはここまで3戦1失点と堅守が特長。簡単にゴールを割らせてはくれない。そこで前線への迫力をもたらすべく、堂安律を頭から使う大胆策はどうだろう。

 鎌田大地とのコンビも相性は悪くない。ジョーカーが1枚減り、森保一監督の手札が薄くなるという問題が出てくるが、後がない決勝トーナメントは先手を取ることが重要。そういう意味で多少のリスクは必要だ。

 堂安をどうしても取っておきたいというのなら、あえて南野拓実を起用するのも一案。彼もスペイン戦は出番なしという悔しい結果に終わり、新たな闘志を燃やしているはず。そこは指揮官の判断次第だ。

 最後に最前線だが、今回は日本の保持率が多少上がると見られるものの、ここまでの流れを踏襲して前田大然を頭から送り出し、浅野拓磨をジョーカーとして投入する必勝パターンでいくほうがベターだろう。

 三笘薫と浅野がいざという時のためにスタンバイしていれば、劣勢に陥った時の巻き返しも可能になる。ただ、前田にもFWとしての仕事は期待したいところ。ドイツ戦の開始早々の幻のゴール以外、ほとんどシュートを打っていないだけに、本人もフラストレーションがたまっているはず。ここまでの鬱憤を晴らす得点を強く期待したい。

取材・文●元川悦子(フリーライター)

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