近年のワールドカップは前回王者が苦戦しているのも気にかかる

前回王者フランス代表はこのままで大丈夫なのだろうか。世界屈指のタレント軍団としてワールドカップ連覇も期待されるフランスがネーションズリーグで躓いている。

現在行われているネーションズリーグにて、フランスは4試合を戦ってまさかの2分2敗。デンマーク、クロアチア、オーストリア相手に白星を掴むことができず、想像以上の大苦戦だ。

もっともネーションズリーグにどこまで重きを置くかはチームによって変わり、フランス代表も本番は今年のワールドカップだ。ネーションズリーグには調整の意味合いもあるだろう。今は結果に一喜一憂する時期ではない。

しかし、近年のワールドカップは前回王者がグループステージで消える悪夢が続いている。4年前にはドイツ代表も同じ運命を辿っており、フランスとて油断はできない。まさかのまさかが起こり得るのが4年に1度の祭典ワールドカップだ。

不安があるとすれば、最終ラインで怪我が目立つようになってきたDFラファエル・ヴァラン、アトレティコ・マドリードで良い時間を過ごせなかったFWアントワーヌ・グリーズマンの2人か。両者とも4年前のロシア大会では攻守の軸で、今年のカタール大会でも主役になると期待されている選手だ。その2人の状態が上がってこないのは気にかかる。

フランスの場合は他にもタレントが揃っており、前線ではキリアン・ムバッペと今季絶好調だったカリム・ベンゼマもいる。心配しすぎる必要はないのかもしれないが、それでも不安材料なのは確かだ。

激戦だったとはいえ、フランスは昨夏のEURO2020もベスト16でスイス代表に敗れている。昨夏の戦いぶりも決して悪いものではなかったが、あれが何かのサインだった可能性もある。結果だけを見るならば、今のフランスは万全とまでは言えないだろう。

ワールドカップのグループステージでは今回ネーションズリーグでも戦っているデンマーク代表、アフリカのチュニジア代表、大陸間プレイオフを勝ち抜いたオーストラリア代表と同じグループDに入っており、決して難しいグループではない。しかし、前述したように前回王者がグループで消えるジンクスが続いているだけに、この組み合わせでもどこか安心できないところはある。

特にネーションズリーグでフランスを撃破しているデンマークは勢いに乗っており、昨夏のEURO2020でもベスト4に入っている黄金世代だ。ワールドカップ初戦でデンマークにフランスが敗れるケースも想定できる。

果たして王者に悪夢は続くのか。前例があるだけに、ネーションズリーグでの結果からネガティヴな意見も増えてくるだろう。代表監督ディディエ・デシャンはこの結果からワールドカップ本番までに修正できるか。