日本代表は9月23日の強化試合で、アメリカ代表を2−0で撃破。ほぼ完勝と言っていい内容だった。
 
 プロの監督やスカウトも使うデータサイト『wyscout』のスタッツも、それを証明していた。何よりも突出していたのが、『xG』だ。『Expected Goals』(ゴール期待値)の略であるこの指標は、ここ数年のヨーロッパ・トップレベルで分析に広く使われている。
 
 この『xG』は、「あるシュートチャンスがゴールに結びつく確率=チャンスの質」のことで、ポジション、アシストの質、その周辺のアクションなどから弾き出される。数値は0~1の範囲内で、ゴール難易度が低いほど数値は高まる。例えば、自陣低い位置からのロングシュートは0.02、敵陣ゴール前でのGKとの1対1は0.69などとカウントされる仕組みだ。
 
 全体で見れば、この数値が高ければ高いほど「質の高いチャンスを作れていた」ことを意味する。この試合における『xG』は、日本が1.92(前半が1.12、後半が0.80)、アメリカが0.49(前半が0.37、後半が0.12)。2−0というスコアはそれを証明するものだった。
 
 日本代表をシーン別に見ていくと、『xG』の高さで最初のビッグチャンスは13分。久保建英のパスから鎌田大地が右足でシュートを放ったシーンの数値は0.42だった。鎌田本人が振り返った通り、これは決めたいシチュエーションだっただろう。
 
 その鎌田が守田英正のパスを右足で蹴り込んだ24分の先制点の『xG』は0.38。ほぼフリーに近い状態でシュートを打っていたが、角度や相手の立ち位置などを総合して数値化すれば、そこそこ難易度の高いゴールシーンだったと言える。
 
 さらに難易度が高かったのが、88分の追加点だ。左サイドのライン際でボールを受けた三笘薫が、2人を置き去りにして中央に切れ込み、相手DFにコースを消されながら右足でファーポストに蹴り込んだシーンの『xG』は実に0.06。つまり、得点が生まれる可能性がほぼ皆無に近い状態から生まれた、まさに驚愕のスーパーゴールだったと言える。
 
 9月27日のエクアドル戦でも、この『xG』には引き続き注目していきたい。
 
構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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