[ラ・リーガ第9節]レアル・マドリー 3-1 バルセロナ/10月16日/サンティアゴ・ベルナベウ

 宿敵レアル・マドリーに敗れ、ついに初黒星を喫したバルセロナで、“穴”となっていたのが、アンカーを務めるキャプテンのセルヒオ・ブスケッツだった。

 最終ライン前でピンチの芽を摘む仕事がまったくできず、ルカ・モドリッチとトニ・クロースが躍動したマドリーの中盤に主導権を奪われた。象徴的だったのが先制点の場面だ。

 脇のスペースをクロースにぶち抜かれ、たまらず後方からファウル覚悟で掴みにかかるもスルーパスを出させてしまう。これがヴィニシウス・ジュニオールに渡り、そのシュートのこぼれ球をカリム・ベンゼマに流し込まれ、リードを許した。

 ポゼッション時も、 “ボールの取りどころ”としてマドリーの標的にされているようだった。キープ力のあるペドリがボールを保持している時は無理にプレスを掛けないクロースやモドリッチから、厳しいプレッシャーを受けていた。

 思い出されるのは、つい先日、本田圭佑が発した言葉だ。自身が運営に携わる音声アプリ『NowVoice』で、日本代表がカタール・ワールドカップで対戦するドイツ代表とスペイン代表の試合(前半20分頃まで)をチェックするという企画を実施し、スペインがスイスに敗れた9月の試合を見ながら、こう語っていたのだ。

「ブスケッツがスタメンで出てくるんだったら、日本はカウンターで勝機あり。ブスケッツのサイド(横)をスイスイ行けばいい。スピードがないない」
 
 まさにこの言葉通り、クラシコではブスケッツがウィークポイントとなった。もちろん代表とクラブでは違いがあるが、スペイン代表の中盤3枚も、そのブスケッツを底辺に、ペドリとガビをインサイドハーフに配すバルサトリオになる可能性は低くない。

 このクラシコでは、右のインサイドハーフにガビではなくデ・ヨングが起用されていたため、左インサイドハーフのペドリが普段よりも高い位置に上り、代わりにデ・ヨングがブスケッツの守備をカバーする役割を担った。ただ、デ・ヨングは持ち場を離れてボールを奪いに行きたがるため、ブスケッツにとっては厳しい状況になった。

 その点を差し置いたとしても、ブスケッツはスペイン代表の“弱点”になりうる――。そう感じたクラシコのパフォーマンスだった。

取材・文●江國森(サッカーダイジェストWeb編集部/現地特派)

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