CFの人選は各地で話題となった

11月から開催されるワールドカップ・カタール大会。日本代表は無事アジア予選を通過し、本戦の切符を掴んだ。対戦相手はドイツ、コスタリカ、スペインで、難しいグループになってしまったのは間違いない。

ブラジルメディア『ge.globo』はこのメンバー発表にあたってセンターフォワードが心配なポジションであると主張している。

確かにこのポジションはメンバー発表後、日本国内で話題となった。古橋亨梧をなぜ外したのか、ヴィッセル神戸で好調だった大迫勇也を招集しなかったのか疑問に思ったサポーターは多いはずだ。

今回のCFの人選はより守備的なものとなった。それは前田大然と浅野拓磨から分かる。彼らの強みはスピードであり、直近の9月の代表戦では前田の快足が生きた。ハイプレスがアメリカ代表のビルドアップに刺さり、そこからのショートカウンターでゴールが生まれる場面もあった。浅野はおそらく前田の控えで、ハイプレス・ショートカウンターがチームの軸にあるといえる。ただ得点が必要な場面での彼らは非力で、別の選手を起用する必要がある(前田はセルティックで11試合2ゴール4アシスト、浅野はボーフムで6試合得点アシストなし)。

それが3人目のCFである上田綺世だ。2022年の前半は鹿島アントラーズで得点を量産し、夏の移籍市場でベルギーのサークル・ブルージュへ移籍した。当初はストライカーではなくトップ下で起用されるなど苦戦が続いたが、試合を重ねるごとでチームからの信頼を掴み、今では5ゴールと数字を伸ばしている。

攻撃でより怖さが必要な場合では上田を投入すべきだ。182cmとそれほど大きな選手ではないが、優れたジャンプ力で滞空時間の長さを確保しており、空中戦でも十分に競り合うことができる。前線でのターゲットマンが欲しい場面はこの上田の力が必要だ。

ただ同メディアでは上田がいたとしても得点を取ることは難しいと主張している。欧州初年度で5ゴールとまずまずな数字を残しているが、フル代表では未だゴールがない。10試合に出場しているが、得点を挙げることができていないのだ。

今大会で明確に得点源といえるストライカーの誕生に期待したい。前田、浅野、上田の3人合わせてフル代表での得点数は8ゴールのみと少なく、この数字を大幅に伸ばす選手は現れるのだろうか。