ポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドの“幻のゴール”はやはり幻だった。

ポルトガル代表は28日に行われたカタール・ワールドカップ(W杯)のグループH第2節のウルグアイ代表戦を2-0のスコアで勝利し、最終節を残してグループリーグ突破を決めた。

同試合ではMFブルーノ・フェルナンデスが2ゴールを挙げてチームを勝利に導く活躍を見せたが、先制点に関してはチームメイトであるロナウドから物言いが入ることに。

後半立ち上がりの54分の先制点のシーンでは、左に流れたB・フェルナンデスがキックフェイントでDFのタイミングを外してクロスを供給すると、ゴール前に飛び出したロナウドがヘディングを試みるも、ボールには触れずにクロスがそのままゴール右隅に決まった。

公式記録では当初、ロナウドがわずかながら触ったとの判定でポルトガルのエースFWのゴールを支持も、その後にB・フェルナンデスのゴールに訂正された。

同試合後もロナウドはチームメイトに対して自身のゴールを訴え、B・フェルナンデスやフェルナンド・サントス監督も試合後にどちらのゴールだったか分からないと語るなど、非常に微妙な判定だった。

しかし、国際サッカー連盟(FIFA)と今大会の公式球『アル・リフラ』を提供するアディダスが、『ESPN』の取材に対して公式の見解を示し、ロナウドがボールに触れていなかったことをテクノロジーに基づいて説明した。

「ポルトガルとウルグアイの試合では、アディダスのアル・リフラの公式試合球に搭載されたコネクテッド・ボール・テクノロジーを使用して、試合の先制点でクリスティアーノ・ロナウドがボールに接触がないことを明確に示すことができました」

「私たちの測定値に「心拍」がないことからもわかるように、ボールにかかる外力は測定できませんでした。ボール内部の500Hz IMUセンサーにより、非常に正確な分析が可能になりました」

なお、今大会の試合球には、試合関係者にリアルタイムのデータを提供できる技術が組み込まれている。また、センサーを使用して選手が行うすべてのタッチをキャプチャし、7月に発表されたプレスリリースでは、「オフサイドの状況を知らせるだけでなく、不明確なタッチの検出を支援し、最終的にVAR意思決定プロセスの品質と速度を向上させる」とのボールタッチに関する情報も提供されていた。

今回、テクノロジーによって英雄エウゼビオが持つポルトガルのW杯通算ゴール記録(9点)に並ぶことができなかったロナウドだが、グループ最終節の韓国代表戦、決勝トーナメント以降の試合で偉業達成を目指す。