カタール・ワールドカップ(W杯)のグループF最終節、クロアチア代表vsベルギー代表が1日に行われ、0-0のドローに終わった。

前回準優勝のクロアチアはここまで1勝1分けのグループ首位に立つ。グループ最大のライバル相手に引き分け以上で突破を決められる運命の最終節では4-1で勝利したカナダ代表戦と全く同じスタメンを採用。モドリッチ、ペリシッチ、ロブレン、コバチッチら主力が引き続きピッチに立った。

一方、カナダ相手の初戦に辛勝も前節はモロッコ代表に0-2で完敗し、3位で最終節を迎えたベルギー。自力での逆転突破に勝利必須の崖っぷちの前回大会3位チームは先発4人を変更。オナナとエデン、トルガンのアザール兄弟、バチュアイに代えてデンドンケル、カラスコ、トロサール、メルテンスを起用。3バックへの変更も予想されたが、[4-2-3-1]を継続した。

ベルギーの並びや出方に注目が集まる中、クロアチアがキックオフからの流れでボックス手前左のペリシッチが鋭い右足のシュートでいきなりゴールに迫る。

以降も前線から強い圧力をかけるクロアチアが押し込む状況が続くが、ベルギーも10分を過ぎた辺りから前線の流動的な動きを生かしたカウンターでチャンスを作り出す。そして、11分と13分には右サイドを起点にボックス付近でカラスコ、メルテンスに続けてシュートチャンスも、DFの身体を張った守備に遭う。

ややベルギーに流れが傾き始めた中、試合の行方を大きく左右するインシデントが発生。15分、クロアチアのFKの流れでボックス内で足元に収めたクラマリッチがカラスコに足を踏まれてPKを獲得。だが、オンフィールド・レビューが入ると、直前にオフサイドポジションで相手DFと競ったロブレンがプレーに関与したとの判定でオフサイドが取られ、PKは取り消しとなった。

判定に救われたベルギーはこれを自分たちの流れに繋げたいところだったが、クロアチアにボールを握られてなかなかリズムを掴めない。

前半半ばから終盤にかけてはベルギーがボールポゼッションの部分で押し返して試合は完全に膠着。互いにサイドを起点にチャンスを窺う中、クロスやミドルシュートでゴールを目指す。だが、集中した守備を上回る攻撃は見せられず、共に枠内シュート0という形で拮抗した前半を終えた。

同時刻開催の試合でモロッコリードの情報を得たベルギーは、メルテンスを下げて切り札のルカクをハーフタイム明けに投入。そのルカクは後半開始直後に得た右CKの場面でいきなりヘディングシュートでゴールに迫る。

一方、勝利での首位通過を意識しつつ前半の戦いを継続するクロアチアは、後半も時間の経過と共に主導権を掌握。相手を自陣に押し込めると、中盤のコバチッチ、ブロゾビッチ、モドリッチと3連続で枠内シュートに持ち込むが、GKクルトワが見事な連続セーブで立ちはだかる。

辛くも後半序盤のピンチを凌いだベルギーは59分にトロサールを下げてT・アザールをピッチに送り出すと、この直後にビッグチャンス。デ・ブライネからの正確な斜めのグラウンダーパスに反応したカラスコがボックス内に侵入。右足のシュートがDFにブロックされるも、ボックス中央でフリーのルカクの足元にこぼれる。だが、利き足とは逆の右足で放ったシュートは右ポストを叩いた。

冷や汗をかいたクロアチアは64分にリバヤ、クラマリッチを下げてペトコビッチ、パシャリッチを前線に投入。小兵タイプのアタッカー2人からターゲットマンのペトコビッチ、前線からの守備とキープ力に定評があるパシャリッチをピッチに送り出し、リスクをコントロールする。

ゴールが必要なベルギーがドク、ティーレマンスとより攻撃的なカードを切り、試合は地力が試される後半終盤戦に突入。モドリッチ、ペリシッチのベテランを中心にインテンシティを維持するクロアチアがより相手ゴールに迫るが、ベルギーもDFヴェルトンゲンらの意地の好守で耐える。

その後、E・アザールを投入して最後の勝負に出たベルギーは割り切って0-0でのクローズを狙うクロアチアに対して猛攻を仕掛けていく。だが、ムニエやT・アザールがお膳立てしたボックス内の決定機を決め切ることができず。

そして、試合はこのままタイムアップを迎え、ベルギーの追撃を振り切ったクロアチアはモロッコの首位を譲ったものの、2位通過を決めて5日に行われるラウンド16ではグループEの首位チームと対戦することになった。

一方、前大会3位のベルギーは黄金世代の集大成として臨んだ今大会でまさかのグループリーグ敗退となった。

クロアチア代表 0-0 ベルギー代表