動き出しの才能をチームとして活かしたい

ワールドカップ本番へ日本代表でもポジション争いは激化していくと予想されるが、中でも読みづらいのはセンターフォワードだろう。ある程度メンバーが固定されてきた最終ラインや中盤に比べると、まだセンターフォワードは固定されていない印象だ。今後のアピール次第で序列も変わってくるだろう。

ヴィッセル神戸で復調の兆しを見せる経験豊富な大迫勇也、ベルギーのサークル・ブルッヘへ移籍したばかりの上田綺世、スピードスターの浅野拓磨、そしてセルティックでゴールを量産する古橋亨梧。2トップ、1トップなど構成によって変わってくるが、森保ジャパンのエースになるのは誰だろうか。

単純な数字で判断するなら、昨季も好調だった古橋が数字を伸ばしてくる可能性が高い。本人は新シーズンにセルティックで20ゴールは奪いたいと考えているようで、昨季のペースを維持出来れば狙えない数字ではない。

ただ、古橋を活かすには課題もある。中盤、2列目の選手が古橋の動き出しをきっちりと見てあげる必要があるのだ。古橋は明らかに周囲から活かされるタイプのストライカーで、個人で打開していく選手ではない。

古橋の動き出しについては、セルティックでチームメイトのMFデイビッド・ターンブルも非常に速いと絶賛する。きっちり見ておかなければ、古橋の動き出しを見逃してしまう場合があるという。

「昨季もずっと彼と一緒にプレイして、彼と一緒にプレイするのが大好きだよ。彼がスペースへ走り、それを見つけるのは素晴らしいことだ。彼の動き出しは素晴らしいよ。時折彼は僕よりも一歩先を行っていて、ボールを出せないことがあるんだ。だけど素早くプレイできれば、彼は常にオンサイドにいて準備してくれている」(英『Scottish Daily Express』より)。

これは同様に動き出しが上手い上田にも言えることかもしれない。大迫が前線に入る場合は足下へボールをつけるイメージになるだろうが、古橋や上田を活かす場合はワンタッチでシュートへ繋げられるようなボールを提供したい。ここは周囲の選手との連携もカギになってくる。

セルティックの選手も古橋の速い動き出しに驚いているようだが、ワールドカップ本番までに日本代表でも連携を磨いていけるだろうか。中盤やウイングとホットラインが築ければ、スペインやドイツ相手にも一瞬の隙を突いてネットを揺らせるかもしれない。