サイドだけでなく中央突破の選択肢も欲しい

23日にアメリカ代表と27日にエクアドル代表と対戦する日本代表。ワールドカップ・カタール大会に出場する実力がある2カ国との対戦であり、本戦に向けたいい腕試しになる。

試すことはいくつかあるが、森保ジャパンがどのシステムで戦うかは気になるところだ。アジア最終予選は[4-3-3]を継続して採用しており、6月の4連戦は[4-2-3-1]にも見えるフォーメーションで戦っている。

現状代表に選ばれている選手の強みを生かすのであればトップ下を採用した[4-2-3-1]がベストだろう。アジア最終予選では遠藤航をアンカーに、インサイドハーフに田中碧と守田英正を配置している。バランスの取れた並びだが、中盤から攻撃をサポートすることを考えると物足りず、であればトップ下に鎌田大地や久保建英ら新シーズン好調を維持するチャンスメイカーを配置したい。

森保一監督の中での序列は分からないが、ブンデスリーガで今季4ゴール2アシストを記録している鎌田を使わない手はない。敵陣でフリーなポジションを見つけられる視野の広さ、狭いエリアでもボールを失わないキープ力が魅力であり、今季はより得点に絡む選手になっている。ただボールの配球役になるだけでなく、ゴール前に飛び込む力にも長けており、トップ下を採用するのであれば鎌田を攻撃の中心に据えたい。

その鎌田とポジションを争うことになるのが久保だ。これまではサイドのアタッカーとして起用されていた同選手だが、今夏に加わったレアル・ソシエダではセカンドストライカーとしてピッチに立ち、これがハマった。ラ・レアルでは適切な選手間での距離が確立されており、久保は気持ちよくプレイできている。ミケル・メリーノ、ブライス・メンデスと中盤の選手も積極的に攻撃参加しており、久保がチャンスメイクしやすい環境がある。日本代表はより個を重要視した攻撃が中心であり、遠すぎず近すぎない味方との距離感が重要になる。

久保はELマンチェスター・ユナイテッド戦や直近のエスパニョール戦では左サイド付近にポジションを取ることがあり、左に久保、トップ下に鎌田を置いても面白い。久保は左足から放たれる高精度のクロスを武器に攻撃を活性化させており、好調の2人が同じピッチに立てばどのような化学変化が生まれるのか見て見たい。

アジア最終予選からの課題だった得点力不足。伊東純也や三笘薫の個の力に頼ることが多く、武器が一つではブラジル戦のようにゴールには迫れない。久保や鎌田ら中央から崩しが狙える選択肢も重要であり、アメリカ戦での先発に注目だ。