9月27日に行われたエクアドル戦を0-0で終えた日本代表。編集部では、試合に出場したサムライブルーの選手たちをC-からA+の9段階で評価した。
■守備陣の評価は?
90分間ゴールマウスを守ったシュミット・ダニエルはA-。クロスへの対応も危なげなく、84分に迎えたPKでは完璧にコースを読み、ピンチを防いでみせた。チームとしても流れをモノにできていなかった試合だったため、失点&敗北を喫していれば雰囲気もさらに重くなっていたことだろう。この試合をクリーンシートで終わらせた意味はかなり大きい。
これまで右SBのスタメン候補として奮闘してきた山根視来だが、良い場面と危ない場面の両方が出た。守備では後手に回り危険なクロスを上げられたものの、攻撃時では時折ダイレクトでいいパスを入れたほか、相手の狙った動きを制するなど、対峙した選手にたびたびため息をつかせた。評価はB+とした。
CBとしてスタメン出場し、パワフルな攻撃陣を相手にした谷口彰悟はB評価。終盤にPKを献上してしまったものの、それ以外の場面では致命的なミスは見られず。裏抜けや空中戦にもしっかり対応して役割を全うした。
谷口とコンビを組んだ伊藤洋輝は、持ち前の左足のキックで前線に縦パスを何本か供給。特に、チームが苦しむ中でも、目線で相手を誘導しながら縦パスを何本も成功したことは評価できる。守備面では危険な縦パスのコースを防ぎきれない場面が見られたが、失点にはつなげさせず。評価はB+としている。
左SBで先発起用となった長友佑都もB評価。ファイナルサードでは見せ場がなかったが、ビルドアップでは、サイドでコンビを組んだ三笘薫にスペースを与えるような立ち位置を取りつつポジショニングを微調整。守備では1対1の場面で粘り強く守り、対人能力を発揮した。
■MF/FWたちの評価は?
CHとしてコンビを組んだ柴崎岳と田中碧はともにB-。両者ともに攻撃面で決定的なプレーを見せることができず、守備では強度不足といった印象だ。ただ、2人ともエクアドル相手にインテンシティで戦えるようなタイプではない。テストとはいえど、中盤の編成自体がやや厳しかったと言えるだろう。
右SHの堂安律はB-。南野拓実とタッチライン際でコンビネーションによる突破を図った場面があったが、それ以外に見せ場はほとんどつくれず。フライブルクでの好調ぶりを発揮しきれなかった。
トップ下の南野拓実もB-。周りとの連携がうまくいかず、ボールロストが目立った。後半からは上田綺世がCFとして投入されたことにより輝きを取り戻したが、決定的なプレーはほとんど見られなかった。
左SHでスタメン出場した三笘薫はB。対面したDFをかわしてクロスを上げる場面も見られたが、ロストするシーンも何度かあり、可もなく不可もなくといったパフォーマンスに終わっている。
周囲との相性も関係しているだろうが、CFの古橋亨梧はあまり攻撃に絡めなかった。もう少し質のいいサポートを受けられれば古橋自身のパフォーマンスも上がるはずだが、残念ながら結果を残せず。前戦で何度もボールを呼び込んだが、それに呼応する場面はなかった。40分に迎えた決定機も止められてしまい前半で交代。悔やまれる試合となった。評価はC+としている。
■途中出場の選手たちの評価は?
古橋と代わって後半頭から出場した上田綺世はB評価。ロングボールのターゲットとなり、ファイナルサードではクロスのターゲットとしても機能した。ゴールを奪えればスーパーだったが、試合の流れを引き寄せることには貢献している。
左SHとして66分からピッチに立った相馬勇紀は、三笘とは違ったタイプのドリブルで相手を翻弄した。代表での出場時間が短く、エクアドル側のスカウティングが不十分だったのも関係しているかもしれないが、十分な活躍を披露。左サイドを切り裂いて攻撃を活性化させた。評価はB+としている。
南野に代わって67分に入った鎌田大地もB+。効果的なパスを刺し込みつつ、ドリブル突破も実行してチャンスを創出し、相馬たちとともに攻撃に厚みを加えた。
同じく67分に柴崎と代わって投入された遠藤航はB評価。CB間に落ちてビルドアップを安定させつつ、フィジカルコンタクトでも強さを発揮。その存在感を見せつけた。
そして、森保一監督はB-の評価とした。アメリカ戦からスタメンを全員入れ替えたこともあり、チームは組織として十分に機能できず。メンバー選考に向けて各選手を長時間見たかったというのもあるかもしれないが、もう少し組織の方に比重を置くべきだったかもしれない。