ヴィルモッツ、マルティネスと繋いだ10年はどうだったか
7日、FWエデン・アザールがベルギー代表引退を表明した。この世代は黄金世代と呼ばれ、FIFAランキングでも長く1位をキープした特別な世代だ。
しかし、アザールがいてもEUROとワールドカップのタイトルは獲得できなかった。まだ黄金世代全員が代表を退いたわけではないが、やはりこの世代の中心は10番を任されていたアザールだろう。10代の頃より高く評価されていた選手で、特別な才能を持っていたのは間違いない。他にもMFケビン・デ・ブライネ、FWロメル・ルカクらを擁しながらメジャータイトルを獲得できなかったのは残念だ。
英『BBC』は4年前のロシア大会を振り返っているが、おそらくベルギーが最もタイトルに近づいたのは2018年のFIFAワールドカップ・ロシア大会だろう。
ベスト16で日本代表が敗れたことも印象的だが、当時のベルギーはベスト4に食い込んでいる。真の勝負だったのは準決勝のフランス代表戦だ。
ベルギーは64%のポゼッション率を記録して積極的に仕掛けたが、最後はフランス代表DFサミュエル・ウムティティにコーナーキックからヘディングシュートを許して0-1で敗北。スコア的にも勝つチャンスはあったはずで、黄金世代として一番状態が良かった大会と言える。今回のカタール大会は主力組がベテラン化したこともあり、キレを欠いてグループステージ敗退に終わってしまった。やはりタイトルを狙うなら4年前がベストだったのだろう。
悔やまれる点を他に探すなら、代表監督か。この10年は2012年から4年間を同国のレジェンドプレイヤーであるマルク・ヴィルモッツ、その後をロベルト・マルティネスが引き継いでおり、この2人が黄金世代を引っ張ってきた。しかしどちらも指揮官としてタイトルを獲得した経験はほとんどなく、その手腕には疑問もある。
ワールドカップは3位、EUROは2016、2020ともにベスト8で敗れており、黄金世代は目指してきた頂点に届かなかった。タレント力は抜群だったが、それでもタイトルに届かないところがワールドカップとEUROの厳しさか。