日本サッカー協会が12月12日、メディアブリーフィングを実施。反町康治技術委員長が出席し、カタール・ワールドカップで起こった変化について語った。
今大会の特徴として言えるのが、より正確なジャッジが下されるようになった点だ。半自動オフサイドテクノロジーや、ボールに埋め込まれたセンサーチップがそれを後押しし、三笘薫のゴールラインのギリギリの位置からのアシストで生まれた決勝点も、技術の進化があって正真正銘のゴールと証明された。
反町技術委員長は、「テクノロジーによってのジャッジが1番になりつつある。僕はVARができた時に、初めは懐疑的な部分があったが、今回やってみてそういうのがクリアになったのはいいのかなと思っている」と言い、考えの変化を明かした。
「レフェリーに抗議するのも当然少なくなる。例えばVARが入ったことによって、ノーゴールと言われたら『もう分かりました』と言うしかない。
あの三笘のシーンだって、日韓ワールドカップでスペインのクロスがラインを割ってる、割っていないでずっと議論されているが、ああいう映像があって、テクノロジーが発展してああいうふうになれば、それで抗議もなくなってくる。そうなってくると10年後にはレフェリーもいなくなっちゃうんじゃないかなと思ってて。それくらいテクノロジーがどんどん進んでいる」
【動画】以前ならノーゴール?三笘の超ギリギリのクロスから生まれた伝説の決勝弾 ※投稿の白地部分をクリック
そのほかのトピックとしては、アディショナルタイムの大幅な増加や、前回のロシアW杯から比べ、登録枠(23人→26人)と交代枠(3人→5人)が拡大された点がある。後者に関しては、日本は最大限に恩恵を受けたと感じているようだ。
「アディショナルタイムもアクチュアルプレーイングタイムの重要性を認識させるようにしているので、こういうのもどんどんどんどん(増えていく)。時間稼ぎの抑止力になると思う。5人交代は日本が1番と言ってもおかしくないくらい、恩恵を受けたかなと。途中でゲームプランを大きく変える時に、3人だとなかなかサイドの選手は代えられないが、代えられるようになった。
ドイツ戦で浅野(拓磨)と堂安(律)が点を取ったように、5人交代がなければもしかしたらそういう形にならなかったかもしれない。今は日本の話をしたが、全体的にも今後、例えば一芸に秀でている選手を26名の中に呼ぶことができるとか。そういうのにも繋がってくるんじゃないかという意味では、ターニングポイントになるワールドカップかなと思っている」
森保ジャパンは後半に攻撃的なカードを次々と切る戦いで、ドイツとスペインから歴史的勝利を収めた。今後もサッカー界で起こる変化にいち早く対応していくことが、自分たちの進化の鍵となりそうだ。
構成●サッカーダイジェストWeb編集部