アニメ「薬屋のひとりごと(くすりやのひとりごと)」は、主人公である薬屋の少女が大国の後宮で数々の事件を解決していく謎解きエンタテインメントです。
原作は、日向夏氏が小説投稿サイト「小説家になろう」に投稿していた作品を、作者自ら加筆・修正してヒーロー文庫から出版された同名ライトノベルです。「月刊サンデーGX」(小学館)と「月刊ビッグガンガン」(スクウェア・エニックス)より、それぞれ漫画化され、2024年3月時点でシリーズ累計3400万部を超えるほどの人気を誇っています。
この記事では、アニメ「薬屋のひとりごと」に登場する上級妃たちを一覧でご紹介。2000人以上の女性たちが暮らす後宮において、トップに君臨する上級妃たちの年齢や位、声優などを解説していきます。
目次
- アニメ「薬屋のひとりごと」とは
- 「薬屋のひとりごと」に登場する5人の上級妃
- 第1クールオープニングで描かれた花が表すのは?
- 4人の上級妃に序列はある?それぞれの関係は?
- アニメ「薬屋のひとりごと」上級妃のまとめ
アニメ「薬屋のひとりごと」とは
アニメ「薬屋のひとりごと」の舞台は、とある大国の宮廷です。花街から人さらいにあった薬屋の少女・猫猫(まおまお)は、女たちの噂と陰謀が渦巻く後宮にて、下女として働きます。薬と毒にしか関心がない猫猫は、後宮でのできごとには興味を持たず、年季が明けるまで目立たず過ごそうと、薬師であることを隠して日々を過ごしていました。
ところがそんなある日、帝の御子たちが次々と病にかかっていること知った猫猫は、その原因にすぐに思い至ります。匿名でそれを知らせた猫猫ですが、そのことが美形の宦官・壬氏(じんし)の目に留まりました。壬氏は猫猫を帝の寵姫の毒見役に抜擢しただけでなく、宮廷で起こるさまざまな事件を持ち込み、その知恵を借りようとします。好奇心旺盛な猫猫は、それを面倒に思いながらも、薬屋の知識と深い洞察力を活かして、事件を次々と解決していきます。
「薬屋のひとりごと」に登場する5人の上級妃
後宮には、妃や女官などを合わせて、約2000人の女性が暮らしています。妃には、下級妃・中級妃・上級妃といった位があり、下級妃が個別の部屋で暮らす「部屋持ち」、中級妃は建物の一棟を与えられる「棟持ち」、上級妃は広い宮を持つ「宮持ち」と区別されていました。
妃の位は、実家の権力に加え、美しさや賢さなどによって決められます。本来、後宮における最高位は皇后ですが、現在の帝には皇后がいないので、正一品(しょういっぽん)の妃が事実上の最高位となり、翡翠宮・水晶宮・金剛宮・柘榴宮の4つの宮に4人の上級妃として君臨しています。それぞれの妃には象徴とされる色や紋、宝石などが与えられ、公の席ではそうしたものを身につけることが多いです。
ここでは、上級妃である四夫人の名前や読み方、年齢、象徴の色と宝石、担当声優などを紹介していきます。
貴妃・玉葉妃(ぎょくようひ)
■翡翠宮
■初登場時の年齢 19歳
■象徴 真紅と翡翠
■声優 種崎敦美(たねざき あつみ)
西方出身で、淡い髪に翡翠の瞳、おしろいを必要としないほどの白い肌をもつ華やかな容貌の上級妃です。現在、帝からもっとも寵愛されていると言われており、帝との間に公主(ひめ)・鈴麗(りんりー)がいます。
以前に毒を盛られたこともあり、信用できるわずかな侍女しか周りに置いていないため、壬氏の計らいにより猫猫が毒見役として仕えることになりました。比較的、年若いためか好奇心が旺盛で明るく、気さくな性格をしています。聡明で機転が利き、帝や壬氏からも信頼されている妃です。
賢妃・梨花妃(りふぁひ)
■水晶宮
■初登場時の年齢 23歳
■象徴 群青と水晶
■声優 石川由依(いしかわ ゆい)
帝の寵姫の1人。玉葉妃の鈴麗公主と同時期に男児を出産したものの、おしろいの毒で亡くしています。帝の縁戚である名家の出身で、多くの侍女を従えていますが、毒だと言われてもおしろいを使い続けた侍女もいることから、人材には恵まれていないようです。
おしろいの毒で体を壊していたところを、帝に頼まれた猫猫が助けたことから、猫猫には信頼を寄せています。第6話の園遊会では、猫猫に簪を渡して周囲の侍女を驚かせました。
徳妃・里樹妃(りーしゅひ)
■金剛宮
■初登場時の年齢 14歳
■象徴 白と金剛
■声優 木野日菜(きの ひな)
幼くして先帝に嫁ぎ、先帝が崩御した後に出家。その後、先帝の息子にあたる現在の帝の妃として再度、入内しました。2代に渡って入内するほど、実家は強い権力を持ちますが、本人は幼く、侍女にも軽んじられています。
魚介類にアレルギーがあり、さらに幼少期に蜂蜜を口にして死にかけた経験から、蜂蜜も食べられません。それが原因で後宮でも暗殺事件に巻き込まれますが、猫猫により解決されました。
淑妃・阿多妃(あーどぅおひ)
■柘榴宮
■初登場時の年齢 35歳
■象徴 黒と柘榴石
■声優 甲斐田裕子(かいだ ゆうこ)
帝の幼馴染で乳姉弟でもあり、最初の妃として入内しました。帝が即位する前の東宮(とうぐう)時代に男児を出産しましたが、難産により子を成せない体になり、産まれた男児も乳幼児期に亡くなっています。
男装の似合う、颯爽とした姿が特徴ですが、第11話で阿多妃に「男のようであろう?」と聞かれた猫猫は「そのように振る舞っているように見えます」と答えています。年齢が高くなったことと、今後子が望めないことから、侍女の風明(ふぉんみん)が起こした事件の後、同じく第11話で妃の座を退いて後宮を去りました。
淑妃・楼蘭妃(ろうらんひ)
■柘榴宮
■初登場時の年齢 18歳
■象徴 不明
■声優 不明
阿多妃が妃を退いた後、新たに柘榴宮の主となった上級妃です。大物高官・子昌(ししょう)の娘で、50人以上の侍女を引き連れて入内したことでも後宮内の噂になりました。日替わりでさまざまな意匠の装いや化粧を施す、個性的な妃です。第14話では顔色ひとつ変えずに妃教育を受けるなど、猫猫にとっても考えの読めない人物といえます。
第1クールオープニングで描かれた花が表すのは?
第1クール(第1話~12話)では、楼蘭妃以外の4人の妃が登場しました。アニメ「薬屋のひとりごと」のオープニングにて描かれた、多数の美しい花のうちのいくつかは、「後宮の花」である上級妃を表しているとも言われています。
それぞれの花がどの妃を表しているのかは、アニメ第5話にて、紅娘(ほんにゃん)が上級妃の説明をしているときに、妃と花がセットで描写されたことで推測できます。牡丹は玉葉妃、桔梗は梨花妃、すずらんは里樹妃、花菖蒲は阿多妃となっていました。
実際、玉葉妃は牡丹をかたどった髪飾りをつけていることが多く、また、梨花妃の宮には桔梗の文様が多く飾られています。第4話で猫猫が「牡丹と桔梗のどちらが美しいかは決めつけるものではない」と言っているのも、帝の寵を競う玉葉妃と梨花妃を例えたものと思われます。なお、原作小説では、「牡丹と菖蒲」になっているのですが、アニメ化するにあたり、この2人の対比のために桔梗に変えられたのかもしれません。
4人の上級妃に序列はある?それぞれの関係は?
上級妃のあいだに序列はなく、壬氏が4人を平等にあつかっていることからも、それがうかがえます。妃たちはそれぞれ自分を象徴する色があり、園遊会のような公の場にそろって出席するときは、自分の象徴色を基調にした衣装を身に着けて、色がかぶらないにようする配慮が通例となっていました。
一方、帝の寵愛の有無や、男児を産んだかどうかで実質的な序列はあり、猫猫が後宮に入った時点で男児がいた梨花妃は、当時の後宮の最高権力者でした。しかし、その後に男児を亡くしたことで、寵愛が深く女児のいる玉葉妃とはライバル関係にあります。妃同士で表立って争うことはあまりありませんが、侍女同士のライバル意識は強く、普段から帝の寵を競うだけでなく、園遊会など表に出るときには装いの華やかさや美しさなどを競い合うことも多いようです。
阿多妃と里樹妃は、先帝の時代に先帝の妃だった里樹妃と、皇太子の妃だった阿多妃という立場で関わりがあったこともあり、やや特殊な関係になります。かつては幼い姑と年長の嫁、という関係でしたが、年齢が離れていたためか里樹妃は阿多妃を慕い、阿多妃も娘のように里樹妃をかわいがっていました。里樹妃が一度出家して再度入内し、同じ上級妃として寵を競うはずの立場になってからも、それは変わらなかったようです。
アニメ「薬屋のひとりごと」上級妃のまとめ
アニメ「薬屋のひとりごと」では、現時点の後宮で最高位にある上級妃や、その侍女たちがさまざまな事件を引き起こし、猫猫もそれに巻き込まれていきます。後宮の花ともいえる上級妃には、それぞれ特徴的な宮や象徴色が与えられています。妃たちの華やかで個性豊かな装いを、アニメでも注目してみましょう。
※種崎敦美の「崎」は正式にはたつさきの字
(C)日向夏・イマジカインフォス/「薬屋のひとりごと」製作委員会
アニメ『薬屋のひとりごと』放送回一覧(動画リンクつき)
話数 | サブタイトル(タップで動画へ) | 見どころ |
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1 | 猫猫 | 猫猫の正義感が幼子を救う |
2 | 無愛想な薬師 | 媚薬の出来はバッチリ!? |
3 | 幽霊騒動 | 奇行の裏の真実に気づく猫猫 |
4 | 恫喝 | ガチギレ猫猫のマジビンタ! |
5 | 暗躍 | そばかすを落とした猫猫の顔 |
6 | 園遊会 | 「これ、毒です」猫猫が本領発揮 |
7 | 里帰り | 高順の前で素が出てしまう壬氏 |
8 | 麦稈 | 「一夜の対価」に壬氏、硬直 |
9 | 自殺か他殺か | 猫猫の死生観、壬氏の懊悩 |
10 | 蜂蜜 | 変態に追い詰められる猫猫 |
11 | 二つを一つに | 阿多妃の過去が明らかに |
12 | 宦官と妓女 | 猫猫、指先だけならお触りOK |
13 | 外廷勤務 | 官女とのドロドロバトル |
14 | 新しい淑妃 | 「女の園の秘術」を教授 |
15 | 膾 | 曲者な軍師・羅漢が来た! |
16 | 鉛 | 鍵の開かないタンスの謎 |
17 | 街歩き | 妓女の価値を下げる方法 |
18 | 羅漢 | 猫猫と羅漢の関係が明らかに |
19 | 偶然か必然か | 命を守るため、猫猫が走る |
20 | 曼荼羅華 | 壬氏が飲む薬の効果 |
21 | 身請け作戦 | 隙あらば嫉妬する壬氏 |
22 | 青い薔薇 | 羅漢の目に映る人々 |
23 | 鳳仙花と片喰 | 妓女・鳳仙と羅漢の悲恋 |
24 | 壬氏と猫猫 | 壬氏の頭突きを食らう猫猫 |
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