アメリカ

北中米カリブ海予選で3位につけ、2大会ぶり11度目のW杯出場を果たしたアメリカ。最終予選ではカナダ、エルサルバドル、パナマ、メキシコ、コスタリカ、ジャマイカ、ホンジュラスという国々と戦い、7勝4分3敗。コスタリカと勝ち点で並んだが、得失点差で上回り、W杯本大会のストレートインを決めた。

近年、欧州で活躍する選手が一気に増えた。チェルシーのクリスチャン・プリシッチのほか、ウェストン・マッケニーやティモシー・ウェア、タイラー・アダムス、ユヌス・ムサといった有望な若手が台頭している。

そんな選手を“W杯水準”に引き上げるのが、グレッグ・バーホルター監督だ。現役時代は代表選手として、2002年の日韓大会、2006年のドイツ大会と、2度のW杯出場経験を持つ。“誰よりもアメリカを知る男”がカタールでどんな采配を振るうのかにも注目が集まる。

過去最高成績は1930年の3位だが、当面の目標は2010年、2014年のベスト16超えを。サッカーでも存在感が増すスポーツ大国がサプライズを起こす可能性は十分にある。

注目選手：クリスチャン・プリシッチ（チェルシー）

2021-2022シーズンはイングランドの強豪・チェルシーで22試合に出場し6得点・2アシストを記録したクリスチャン・プリシッチ。10代だった2016年にフル代表デビューを果たして以来、“アメリカ史上最高傑作”と呼ばれるほどに期待値の高い選手だ。

スピードに乗ったドリブルが最大の特徴であり、裏へ抜ける意識も高い。代表でもチェルシーでも10番を背負い、かつてのエース、エディン・アザールの後継者に推す声も多い。
右ウイングを主戦場としているが、トーマス・トゥヘル監督の下ではウイングバックや2列目のポジションを任されることもある。アメリカにとって不可欠な存在であり、「世界」を知る男が、W杯でもチームを勝利に導けるか。