ウェールズ

欧州予選のプレーオフを制し、欧州最後の切符をつかんだのがウェールズだ。64年ぶり2度目となるW杯出場は、彼らにとって悲願だった。

クロアチアと同組となった予選では、4勝2分2敗で2位となりプレーオフへ。準決勝でオーストリアを2-1で下すと、決勝戦ではウクライナと対戦。大一番でウェールズをW杯へ導いたのは、ギャレス・ベイルのFKだった。左サイドからゴール方向へ向かう強烈なシュートは、クリアしようとした相手ディフェンダーのオウンゴールを誘発した。これが決勝点となり、エースの一撃でW杯出場を決めた。

本大会のグループリーグは、隣国のイングランドと同組に。ベイル以外にもアーロン・ラムジーやジョー・アレンといった能力の高い選手がそろい、64年前に記録したベスト8の壁を越えるために奮起する。

注目選手：ギャレス・ベイス（ロサンゼルスFC）

ウェールズと言えばやはりこの男、ギャレス・ベイルだ。特徴は、相手DFを置き去りにする圧倒的なスピードと驚異的な決定力。2013年にトッテナムから推定9,100万ユーロ（当時のレートで約120億円）という超高額でレアル・マドリードへ移籍。当時のサッカー界史上歴代2位となる移籍金が世界中で話題となった。

移籍後はクリスティアーノ・ロナウド、カリム・ベンゼマとの3トップで“BBCトリオ”を結成。2018年にC・ロナウドがユヴェントスに移籍するまでの5シーズンにおいて、3人で通算400得点以上をたたき出し、数々のタイトル獲得に大きく貢献した。しかしその後は大きなケガに見舞われて戦力になれず、2020-2021シーズンに古巣・トッテナムに期限付き移籍。11得点を挙げて翌シーズン、レアル・マドリードへ復帰した後、新シーズンはアメリカ、ロサンゼルスFCの一員として戦うことになった。

レアル・マドリードでは明暗がクッキリ分かれる時間を過ごしたが、代表ではウェールズを64年ぶりのW杯出場に導いた、なくてはならない存在だ。33歳にして初めてとなる“フットボールの祭典”で、ベイルはどんなインパクトを残してくれるだろうか。