ベルギー

欧州予選ではウェールズ、チェコ、エストニア、ベラルーシと曲者揃いのグループに入ったベルギー。終わってみれば6勝2分の無敗でW杯出場を決めた。なかでも注目は25得点を奪った圧倒的な攻撃力。長い予選において、負傷により主力選手が不在となる試合もあったが、層の厚さと安定感を発揮した。

優勝候補に挙げられていた前回大会からさらに成熟度が増した赤い悪魔。レアル・マドリードのティボー・クルトワやベンフィカのヤン・ヴェルトンゲン、マンチェスター・シティのケビン・デ・ブライネ、インテルに復帰したロメル・ルカクなど、あらゆるポジションに各国のビッグクラブでプレーする選手たちを揃えている。

特に中盤は、レアル・マドリードのエデン・アザール、ドルトムントのアクセル・ヴィツェル、アトレティコ・マドリードのヤニック・フェレイラ・カラスコなど多くのタレントが揃っており、ベルギーの黄金期を支えている。

一方で、年齢層の高さを指摘されていたセンターバックにはリヨンのジェイソン・デナイヤー、レスターのティモシー・カスターニュなど若手が台頭。ロシア大会よりも強固なメンバーが揃った。

注目選手：ケビン・デ・ブライネ（マンチェスター・シティ）

圧倒的な攻撃力を持つベルギーでタクトを振るうのはケビン・デ・ブライネだ。

ベルギーのヘンクでプロキャリアを歩み始めたデ・ブライネは、2012年にチェルシーへと移籍。その後はレンタル移籍による武者修行を繰り返すも、チェルシーでは出場機会に恵まれず。しかし2015年に加入したマンチェスター・シティで才能が一気に開花。今シーズンも29試合で15得点・7アシストをマークし、2019-2020シーズンに続く2度目のプレミアリーグ年間MVPに選出された。

ゲームメーカーとしてプレーするデ・ブライネの武器は、サッカーIQの高さ。名将ジョゼップ・グアルディオラの下では、さまざまなポジションでチャンスメイカーやフィニッシャーなどあらゆるタスクを担う。ベルギーでは2シャドーの一角を任され、攻撃のすべてを担う。まさにデ・ブライネこそがベルギーの戦術だ。