モロッコ

元日本代表指揮官のヴァイッド・ハリルホジッチ監督が率いるモロッコが、2大会連続6度目のW杯出場を決めた。アフリカ最終予選では、格下のコンゴ民主共和国と対戦。1stレグこそ1-1の引き分けに終わったが、2ndレグではアゼディン・ウナヒの2得点などで4-1と快勝でカタール行きを決めた。

厳格な指導で知られるハリルホジッチ監督は、選手との対立も厭わない。モロッコでは当時のエースだったハキム・ツィエクと口論となった末に代表から追放。さらにアヤックスのノゼア・マズラウィとの関係も悪化し、以降は招集を見送っている。チームのキーマン2人を外したことで不協和音が囁かれたが、自身好みの『戦える選手』を集めてソリッドなチームを構築した。

またハリルホジッチ監督にとっては、アルジェリアを率いて戦ったブラジル大会以来となる大舞台での指揮。同大会ではアフリカの雄・アルジェリアを率いてベスト16に進出。特に決勝ラウンド1回戦では、ドイツを相手に敗れながらも120分間の死闘を繰り広げるなど、ハリル・マジックとして世界から称賛された。今大会は“ハリル・マジック第二章”を見せられるか。

注目選手：アブデ・エザルズリ（バルセロナ）

モロッコの注目選手は新進気鋭のアタッカー、アブデ・エザルズリだ。スペインとの2重国籍を有するエザルズリは、バルセロナBで頭角を現すと、今シーズン、チャビ・エルナンデス監督率いるトップチームでデビューを飾った。昨年12月には初得点を決めるなど、今売り出し中の若手だ。

エザルズリの武器は卓越したボールテクニックと圧倒的なスピード。ウイングのポジションから積極的に仕掛けてチャンスメイクする。また器用さも併せ持っており、両サイドでプレーできるなど幅広い起用が可能だ。

昨年12月にはモロッコからの招集を辞退し、スペイン代表入りを目指していた。しかし今年3月に、アフリカ最終予選で再びモロッコから招集を受けるとこれに応じた。本大会での活躍にも期待がかかる。